銀幕少年(前編)

 今まで、生まれて初めて遊んだTRPGやゲームの話、アニメにハマったきっかけとなる作品のエピソードを書いてきた。今度は「生まれて初めて見た映画」のことを書きたいと思う(事情があって、このシリーズはそれほど長く続かない予定)。


 子供時代の記憶はあやふやで、記憶だけを頼りにすると、生まれて初めて見た映画は「グレムリン」「ゴジラ」「ドラえもんのび太の小宇宙戦争」の3本のうちどれかで、特定できなかった。しかし公開日時を調べた限り、初めて見たのは「グレムリン」ということになりそうである。



 友達に誘われて観に行ったのだが、そもそもどうしてその友人がグレムリンを見たかったのかはよくわからない。その友人はすぐに引っ越してしまった。もしかしたら引っ越す前に思い出を作りたかったのかもしれない。しかしまぁ、映画の内容は感傷には程遠いものだったけれど(笑)。
 とりあえず印象に残っているのは、主人公の母親か誰かが暴れるグレムリンを電子レンジに閉じ込めて焼き殺すシーン。今から考えればたいしたシーンではないが、当時耐性のなかった私にはキツかった……。

 あと、子供心に納得いかなかったことが一つある。この映画では「夜12時以降にギズモに餌をやってはいけない」というルールがあるのだが、「夜12時から何時まで」なのかが明言されておらず「何時であっても前日の12時よりは後なんだから、結局餌やれないじゃん」という疑問である。こんなことを考えるのは私くらいかと思ったら、Wikipediaにまで書かれていて笑ってしまった。

 ヒットメーカーのスピルバーグ作品だが、特に話題になった記憶はない。ジョーズやら他の作品の谷間に埋もれた作品という印象だ。
 ただ、私はこの映画を見ていたせいで、かなり後までグレムリンをこの映画のオリジナル・モンスターだと思っていた。それも、機械を壊すという民間伝承を無視して「体は小さいが知能は高くて攻撃的で凶悪なモンスター」だと思い込んでいた。真相を知って驚いた記憶がある。スピルバーグ監督が、何故原典に似ても似つかないこのモンスターをグレムリン命名したのかは、今もよくわからない。


 なお、ドラえもんについては、これも友達に誘われて観に行ったのだが、主題歌以外ほとんど記憶に残っていない……。