アイアンマン


 そんなわけで退屈しのぎにコンビニの店頭で1000円で売っていたこれを買ってきた。ハリウッド映画は何も考えずに頭を空っぽにして見れるのでこういう時にはいいねえw


 今までハリウッド映画化されたアメコミヒーローは何人もいるけれど、アイアンマンは他のヒーロー達とはちょっと違う。

 例えばスーパーマンスパイダーマン、ハルク、X−MENのミュータントのように生来の、もしくは後天的に得た超常能力を持っているわけでなく、あるいは逆にバットマンのように極限まで鍛え上げたただの人間、というわけでもない。
 あくまでもパワーを持っているのはスーツであり、主人公トニーに埋め込まれたアークリアクターという動力装置なのだ。ただ、このリアクターがなくなるとトニーは死ぬ。本来なら死ぬほどの重傷をリアクターの力で生きながらえている(正確にはその怪我の原因となった弾頭の破片を電磁石で心臓から引き離している)という設定だ。

 それともう一点、アイアンマンが他のヒーロー達と違う点がある。それは、アイアンマンのエンディングのネタバレになってしまうのだが今度公開されるアイアンマン2のトレーラーには思いっきり書いてあるので明かしてしまうと、アイアンマンは自分の正体をカミングアウトしているのだ。
 スーパーマンやスパイディ、バットマンなどは自分の正体はもちろん明かしていないし、日本のスーパーヒーロー物(ウルトラマンから戦隊物に至るまで)も、自分の正体は隠していることが多いはずだ(最近の特撮物にある、パワードスーツ着た警察とかレンジャーみたいな設定だと公認の存在なのかな?)。
 逆に、ミュータントなどの場合は正体を知られているがゆえに迫害されているわけで、スーパーヒーローであることを敢えて人々に公表する、というのとはまた状況が違う。
 実は、映画アイアンマンの中でも伏線が張られているが、アイアンマンことトニー・スタークはスーパーヒーローの共同戦線(というか対ヴィラン共同戦線?)である政府組織「SHIELDS」の長官(原作だと2代目の長官)に就任するという設定がある。つまり政府公認のスーパーヒーローなわけだ。
 ウォッチメンなんかの設定をみると、政府公認の愛国者系スーパーヒーローは本国ではかなりメジャーな存在(キャプテンアメリカとか)みたいだけど、さすがにハリウッドは世界展開を考えているせいか、それともハリウッドの体質的反骨精神なのか、そっち系のスーパーヒーローは今まで他に例がない。
 で、「SHIELDS」に関する話というと、マーベルコミックのスーパーヒーロー達を(上記のヒーローでいうとDCコミック出身のスーパーマンバットマンを除くほぼ全員)真っ二つに割った大戦争「シビル・ウォー」という大イベントが待っている訳なんだけど…そこまでハリウッド映画にするつもりのかなぁ? 割と政治的な物語なんだけど。

 そのあたりも含めて続編でどう料理してくるのか、アイアンマンの展開が今から大変楽しみになってきた。