目の付けどころが……


 そんな私がワクワクしたアイテムというと、一つはMebiusStyleである。これは、逆の発想をしたノートPCとでもいうべきものだ。本来ノートPCの「本体」である基盤はキーボードの下にあるが、このPCは逆で、ディスプレイ側に本体があり、キーボードの下には基盤がない。
 するとどうなるか。基盤からディスプレイに配線を伸ばす必要がないので、キーボードの位置を自由に配置できるのだ。
 わかりやすい表現をするとこうなる。「折り畳める省スペースデスクトップ」(元々メビウススタイルそのものが省スペースデスクトップという概念の先駆者だ)、あるいは「キーボードを取り外せるノートPC」。キーボードが取り外せるので、ノートPCよりもっと楽な姿勢でタイピングができ、また折り畳めるので使わない時もキーボードが邪魔にならないという、本当にいい機械だった。
 その後のバイオWや今でいうバリュースターNなどのはしりなのだが、バイオWは折り畳めるがキーボードは取り外せず、バリュースターはキーボードは独立しているが収納できないなど「普段はキーボードを取り外して使える」「使わない時はキーボードを収納できる」両方の条件を満たすPCはほとんど現れなかった。何よりシャープ自身が作っていない。目のつけどころはシャープだったんだけどな……。
 ちなみにスタパ斉藤氏のレビューがこれだ。この人はいつも褒めまくる人だけど、レビューそのものは参考になる。