優等生の話

 さて、昨日のエントリを読んで、こう思った人がきっといるだろう。


「iPhoneにすれば携帯電話(それどころかPSPgoも)切れるんじゃね? っていうかむしろなんでしないの?」
 
 私にとって、その選択肢は最初から考慮の外だった。

 一つはバッテリの問題。私はプライベートで一人で外出する場合、ほぼ常時ウォークマンをつけっぱなしにする。ネットもかなりの時間見ている。この両方を一つのデバイスで補おうとすると、どうしてもバッテリが足りなくなる。

 もう一つは入力デバイスの問題だ。前にも書いたが、私はタッチパネルが苦手だ。タッチパネルに嫌われていると言ってもいい。そのため、iPodTouchとウォークマンを統合して曲目操作や早送り、巻き戻し程度の比較的大雑把な操作なら問題は少ないのだが、細かい文字入力操作なんて絶対にタッチパネルではやりたくない。だから、もしスマホを買うとしたら現状ではアクオスフォン・スライダーしか選択肢に挙がらない。

 そしてもう一つが、iOSデバイス特有の不自由さだ。動画も画像も音楽も、いわゆるストレージデバイスとして普通にデータを扱うことができない。ぶっちゃけ、iFunBoxに出会うことがなければこんなにiPodTouchを使うこともなかっただろうと思う。


 さて、おっかなびっくりiPodTouchを使ってみて、いろいろとわかったことがある。恐らくiPhoneにも共通すると思うのだが、iOSデバイスには「これにしかできない!」というオンリーワンの機能がない。携帯としての機能も、ウォークマンとしての機能も、ウェブ閲覧の機能も、動画再生の機能も、他のデバイスでも代替できる。

 しかし逆に、携帯としての機能を除けば、バッテリや液晶の質も含め、ほとんどの機能を高いレベルでそつなくこなせる。簡単に言えば「万能で優等生」な機械だ。便利さと万能さを両立させるためにユーザーに多少の不便を強いるが、それは私のようなマニアックなユーザーでない限りそれほど意識することもないものなのだろう。

使い方の話

 そんなこんなでiPodTouchを音楽プレイヤーとして使ってみると、やはり日常的に使うデバイスであるだけに、ウォークマンとの違いをそこかしこで意識することになった。

 一番大きな違いは、iPodTouchは画面を見ないと操作することができないという点だ。
 私はウォークマンをかなり長いこと使っていたので、選曲やボリュームの上げ下げは全て画面を見ないで行っていた。タッチパネルではなくボタン操作なので、触ればどのキーがどの位置にあるか把握できたからだ。しかしiPodではこれはもちろん無理だ。表面が全部つるつるだから、見ながらでないと絶対操作ができない。
 細かいことをいうと、縦持ちした時のボリューム操作と早送り/巻き戻しの操作の位置が近すぎて、早送りしようとした時に音量に触ってしまうことが多い。この辺隙の少ないiOSにしては珍しく設計の甘い部分に感じた。
 あと、最初は「早送り/巻き戻しするたびにいちいち暗証番号入力しないといけないのが面倒くさすぎる」と思っていたのだが、これは「ホームボタンを3回押し」することで暗証番号を入れなくても早送り/巻き戻しできるということがわかって解決(アルバムの変更はできない)。マニュアルがあればなぁ。

 音質は元々あまりこだわりがなかったので、ウォークマンとの違いはわからなかった。予想を上回っていたのは圧縮率。元々お遊びのつもりで8Gモデルを買い、電子書籍を結構沢山入れてしまっていたので曲はそれほど入らないかと思っていたが、圧縮率が高いので容量的には十分だった。