これはわかりやすい

【FF14】吉田P、バトルシステムと新生FF14のコンセプトについて長文投稿


 内容やFF14自体の是非はともかく、こうやってコンセプトを語ってもらえるのはありがたい。11も細かいデータをフォーラムに挙げるというより、まず基本のコンセプトを固めてもらったほうがわかりやすいと思うんだけどね。
 例えば、なぜ戦闘をオートアタック式にするのか──

■オートアタックについて■

意味がほとんどないのではないか?と議論いただいているオートアタック(AA)ですが、新生FFXIVのバトルにおいては、ベースのダメージ源である以外意味を持ちません。このダメージリソースとしてのAAのタイミングと間隔は、フィードバックを受け、 αテスト終了後からβテスト後半に向け、大きく修正を続けています(コストが大きく、まだ公開ワールドには適用していません)。ですが、引き続きAAはTPを回復させるなどの役目は持っていないことに変わりはありません。

Lv15ダンジョンのタムタラでは、レベルデザイン上まだ感じにくいかもしれませんが、トトラクや屋敷などLv25-35付近のダンジョンでは、WS全開のローテーションでは、 TPが枯渇の枯渇や、剣術士がMP切れを起こします。このあたりから「考えないと効率が悪い、もしくは死ぬ」シチュエーションが、かなり発生します。 AAはそんなMPやTPが枯渇した中でも、常に動作するダメージ源とすべく調整していますので、引き続きよろしくお願いします。

■ポーカーに例えるなら■

これをトランプのゲームの一種である「ポーカー」に例えると……

・何も出来ずに待っている時間は短く
・ただし考えるための時間は確保する
・最初から手札が多くて何をすれば良いのか分からないようにはしない
・レベルアップ+ジョブで徐々に手札=上手く戦える仕組みを提供する
・WS単体は、手札であり、役ではなく、役はコンボやProcになるように
・最終的には、役を状況に応じて切り替えて戦う(考える時間は最低限残す)
・β3での導入を予定しているリミットブレイクはパーティで持つ役になる
・AAは手札すら使えなくても攻撃できる手段or1撃は弱くても常に攻撃できる手札

吉田とバトルチームが、それこそ2年にも渡って詰めてきた内容をまとめたものです。苦肉の策でポーカーに例えてみましたが、なんとかお伝えできていれば幸いです……。

 

 FF11の場合はFF14よりWSの割合が低く、オートアタック(AA)に拠るところが大きい=通常攻撃の速度を上げるヘイスト装備の優位性が高い、ってことになるんだろう。またここで“役”と称されているものにあたる“連携”は今は実質死に要素で、侍と青魔導師の一人連携でしか使用してないっていうのも14と違うところ(連携は復活してほしいんだけどね……)。
 何より──

1.MMORPGはパーティプレイ前提のゲームである
2.アクション要素が多ければコンテンツアタックの際、他プレイヤーにそれを強要することになる
3.ノンターゲット/Area Effect(広範囲)スキルを「多用」する場合にはどうしても大味になる
(ギリギリのキワで戦うようなダンジョン/コンテンツのバランスが甘くなりがち)

[1]については、今でもMMORPG業界で延々とテーマになりますが、吉田はパーティプレイこそが、 MMORPGの最大の面白さだと思っているので、序盤はパーティの「ストレスになる部分」を極力排除し、さらに中盤から後半にかけても、コンテンツファインダーで「慣れ」を作るように徹底しています。最終的に「MMORPGは人間関係に疲れるよね」は、もうどうにもならないだろう、が結論なのです。すべてをソロでプレイできるようにするのでは、プレイを持続して貰えないですし、 MMORPGを作る意味も無くなってしまうと「最終的には」考えています(極論を言えば、のお話です)。ですので、さらに極論を言えば、やはり「プレイする人を選んでしまう」のが、MMORPGの魅力でもあり、大きな問題点でもあり、これは表裏一体であると考えています。

しかし、これで諦めていては、MMORPGである新生FFXIVのプロデューサ兼ディレクタとして、失格になってしまうので、新規プレイヤーの獲得こそが、必要不可欠だとも思っています。

そこで出てくるのが[2]と[3]で、今の世の中溢れかえるエンターテイメントコンテンツ、モバイルコンテンツ、 HDゲームコンテンツの中で、新生FFXIVを触って、かつある程度奥へ進んでもらうためには、特に序盤は「単純化」が必要不可欠だと考えています。もちろん、[2]と[3]は「初動のキャッチーさ」という意味では、これまた表裏一体です。ですが前述したように、一人でも多くの新規プレイヤーを獲得していきたい反面、 MMORPGは最終的に誰もが長期に渡ってプレイできるゲームではありません。これだけ選択肢が多い世の中では、理想論を振りかざしても意味がないと思っています。(最大限新規のプレイヤーの皆さんに訴求した上で、です。しつこいですが繰り返し)


 モンハンに挫折した身としては、ここは非常に重要だ。前にFF14の戦闘画面がCβテストで漏れたとき、もっさりしてるとか爽快感がないという外野の意見を見て「この人たちわかってないなー」と感じたのを今でも覚えている。画面を見て緊迫感が伝わるような戦闘ばかりだと「続けてやってられない」し、他のプレイヤーとのコミュニケーションも平行して行うことができない。モンハンが成り立っているのはMOだからだと思っている。喫茶店などでマルチプレイしている人たちを見てもほぼ無言だし、モンハン芸人の実況プレイとか見てもプレイ中に「面白い会話」が成立している例は少ない。その余裕がないように見える。また、テラで流行りのノンターゲット制についても理由を挙げて否定している。

 ここまでコンセプトをはっきりと明示してもらえれば、これを肯定するか否定するかはともかくとして、もし議論をするというのであれば話しやすい。ここが漠然としているのでは議論しようにも全員が明後日の方向を向いてしまい、話が進まないからだ。前の田中Pについては賛否両論あるだろうけれど、このコンセプトがここまで見えやすい人でなかったことは確かだ。

 今のFF11の開発陣は、同僚として当然この吉田Pのコメントを見ているだろうが、それぞれどう思っているのだろうか。それが是非知りたい。