法則が通用しない

Rovio Entertainment,King,グリー,Klabの首脳が一堂に会したパネルディスカッション「進化し続けるゲーム業界」をレポート


 今まで何度か書いてきたとおり、私は「面白いゲーム、名作と呼ばれるゲームが世に出るためには沢山のゲームが登場する素地が必要で、『数は少ないが名作ばかり』という状況はありえないこと」だと考えている。
 しかし……逆は真ではないかもしれない。

現在のモバイルゲーム市場では,72時間で900本ものゲームがリリースされており,これはNESファミリーコンピュータ)が発売から9年間で発売されたゲームの数に相当する。


 さて、では昔ファミコンで出た名作ゲームの数と同じだけの名作ゲームが、72時間ごとにモバイルゲーム界に登場しているだろうか。とてもそうとは思えない。
 「名作が生まれるには一定の数の作品がなければならないが、数が多ければ必ず名作が含まれるとは限らない(必要条件ではあるが十分条件ではない)」というところだろうか。3日で900本も新作が出るのでは、どうやったってほとんどのゲームは人目に触れることもなく消えるしかないだろう。そしてその900本のうち、他のゲームのコピーなどではない本当の新作はどれだけあるというのか。