もう一人のピコピコ少年の思い出(15)


 「思い出」の2回目で「当時のナムコが面白いゲームを作るためにトップビューとサイドビューの間で試行錯誤していた」と書いた。
 実は、ナムコはまだポリゴンなど存在しない時代にトップビューでもサイドビューでもないゲームを世に出していた。



 クォータービューで「前に進むためにレバーを右上に入れないといけない」という珍しいゲームであり、この画面構成は当時なかなかカルチャーショックだった。クォータービューという名前の発祥となったらしきゲームよりもこのゲームの方が古いようで(参考)、もしかしたら一番古いのかもしれない。視点だけではなくゲームシステムも「シューティングゲームなのに敵や敵の弾に当たっても死なない(弾きとばされるだけ)」という、なかなか斬新なものである。
 そしてこのゲームも、ニンジャウォリアーズ同様、ゲームセンターで見つけるたびにプレイするゲームとなった。理由も同じで、家庭用版を持ってはいたがアーケード版とはかなり違いが大きいゲームだったからである。なお、このゲームはなぜかナムコミュージアムに収録されず、Wiiコンソールが出るまでX68000版しかないという悲しいゲームだった。



 ご覧のとおり、移植版はトップビューになってしまっている。PCエンジンの性能ではそのまま移植することは難しいからかと思っていたが、ウィキペディアによれば「PCエンジンのコントローラーが斜め入力に適さなかったから」となっている。確かにゲームセンターではレバーだから斜め入力苦じゃないしな……。