これもまた最後のプレゼント


 またもやネタバレ。













 これ以上ないほどの大団円。誰一人欠けることもなく、全員が第14駆逐隊を卒業し、それぞれの道を歩んでいく。
 この物語は、第14駆逐隊が集まるところから始まった。バラバラの彼女たちが一つになり、成長し、そして後を歩む者たちを導く。駆逐艦の中でもそれまであまり注目されてこなかった艦娘たちの魅力をこれ以上ないほどに描き出したと思う。
 14駆の最後の挿絵で、こちらも思わずホロリときてしまった。個々にすれ違うことはあっても、今後彼女たちが揃って戦うことは、もうないのだろう。だがきっと、それでいいのだ。

 今の私が望むことは唯一つ。築地さんの次の艦これ小説が読みたい! それだけだ。築地さんなら、今回登場した夕雲型の続きの物語でも、それ以外のまだ注目を浴びていない艦娘の物語でも、自在に描けるはずだと信じている。
 しかし、騎馬戦後の宴会シーンは見てみたかったな……。

 ちなみに今回私が一番好きだったのは、大淀の「ぴんぴんしてる陸奥さんによろしく」という台詞。やっぱり大淀は怖いって設定なのね(笑)。あと、後半で夕雲型の主観視点になるシーンも、最初の頃の十四駆を見ているようで懐かしかったなぁ……。