ドット絵復興?

ドッターはマゾなほど優秀ってホント? 現役ドッターたちが語るドット絵の過去と現在


 あー、これはわかる。いや、どういう風にゲームを設計するかによるけども……。


 今の主流は確かに3Dポリゴンだが、FF11とかDQXみたいに長時間遊ぶことを前提とした3Dのゲームをずっとやってて思うのは、「3Dで描写された世界を自由に動ける」という前提のゲームでまともに自キャラを操作しようと思うと、移動と視点移動、アナログスティックが2本どうしても欲しくなるってこと。
 3D格闘ゲームなんかはレバー1本だが、あれは「カメラ操作はCPU任せ」で、実質奥行きの存在は視覚的効果だけといっても過言ではない。例えば「3D」の「RPG」で視界が一切動かせないと、凄い不便に感じる(=自由ではない)か、あるいはオブジェクトの配置に制限を加えて実質2Dとするかどっちかだと思う。
 わかりやすいのがFF7で、あれのフィールド画面は視界が動かせない。だから、配置されているオブジェクトの「裏側」に何があるかも見ることができない。「3Dで描画された背景の中を、2Dの動きで歩き回っている」のと同じだ。

 そしてスマホのゲームの場合、画面上にいくつかのボタンが配置されることを考えると、画面上にバーチャルスティックを2本配置するのは現実的ではない。アクションゲームなどでは操作が相当煩雑になってしまう。なので、例えば操作性を売りにしてるぷにこん搭載の白猫とかどういう操作系を採用しているかっていうと、移動はバーチャルスティックで、視点移動は画面をスワイプして行うことになる。多分、プレイヤーに直感的にわかるような操作系にしようとするとこれしかないんだろう。しかしこれも、意欲的なことは認めるけど、特にアクションではやっててかなり辛い。
 前に、スマホゲームの操作性が進歩しない、という話を書いたけど、これだけのゲームが乱造される今に至っても画期的な操作方法のようなものが登場してこないということは、恐らく「画面」という2Dのものを操作に使おうとしてる時点で、これ以上ドラスティックには進化しないのではないかとも思えてきた。
 すると逆説的に、操作系は2Dに縛られるのだから画面も2Dでいいのでは? という発想が出てきてもおかしくない。ましてや、常にバッテリや発熱に悩まされるスマホのゲームで、2Dの方が3Dより負荷がかからないとすればなおさらだ。


 長々と書いてきたがまとめると、記事のなかではドットが復権した背景までは踏み込んでいないけれど、単にスマホの性能がゲーム機に比べて低いからというだけでなく、スマホゲームの操作性と2Dの相性が良いからドット絵が復権してきたのでは? というのが私の個人的な見解だ。だとすると、そのターゲットはレトロゲーム好きだけとは限らないことになる。