BlackberryPrivを買った経緯

 年末のエントリでは「スマホ」と呼んだが、Simカードを差しておらず、使い方としてはタブレット……いや、自宅で使うファブレットとして購入したBlackberryPriv。iPadMiniが少々非力になってきたため買い替え対象として挙がってきた機種だが、こちらはSwitchと逆で、買うにあたって迷う要素はほとんどなかった。何しろ、スライド式キーボード付きなんて変態端末は他にないからだ。買い逃したら今後の機会があるかどうかもわからない。あえていえばGeminiPDAとどっちを取るかというくらいだが、そのGeminiPDAはまだ発売されてすらいない。
 ただ、買った時になかなか興味深い体験をした。

異議あり!」(逆転裁判風に)

 ギズモードのウソ記事のお陰かそれとも元々か、Privの需要は高いように見えず、ある時一気に店頭から消え去る可能性があった(結果的にはむしろ売れ残っているようだが)。なので、買うと決めた私は、急いで近くの量販店の売り場に向かった。そこではPrivを店頭ディスプレイしていると知っていたからだ。その店は、買いたい機種の購入票を取ってレジへ行くと店の奥から本体を出してくるという方式を取っている。
 購入票を持ってレジへ行くと、店員が在庫を確認するといってバックヤードに向かった。ここまではいい。戻ってきた店員は、本体は既に売約済みであり、販売できないという。私はあれ、と思った。購入票は2枚あったからだ。在庫は2つでは? と聞くと2台とも売約済みだという。
 本音を言おう。私は心の中で「そんなバカな!」と叫んでいた。iPhoneXを買うのとは訳が違う。Privは人気機種ではない。しかも、私が買いに行ったのは本体が発売されて1年以上経ってからである。1年以上前の旧機種を、店頭で予約して、しかも買わないで帰る客が1店舗に2人もいるか?
 ただ、この場で「それは本当か?」なんて言ったら喧嘩になってしまう。私は引き下がった。


 そして私はそのままその足で、同じ量販店の別の店舗に向かった。というのも、他の量販店では既に店頭取り扱いが終わっていたから、同じ量販店の違う店に向かうしか方法がなかったのだ。ちなみに、秋葉原での安売りは私が買った後の話である。
 1時間後にたどり着いたその店舗には、箱が少々傷がついたからといって処分価格で売られているPrivが1台あった。幸いというかなんというか、実物が目の前にあるのだから買いっぱぐれる心配はない。ただ、輸送中に衝撃が加わったというリスクもあるので、一応店員に、無傷の新品の在庫があるかどうか聞いてみた。
 彼女は営業スマイルを浮かべ、穏やかにこう言った。「その商品は、都内で在庫のある店舗は○○支店に十数台があるのみとなっております。他の店舗に在庫はございません。お取り寄せなさいますか?」
 私は噴き出しそうになった。○○支店は、最初に行った支店から100km以上離れた支店だ。また買い損なうのは嫌だったので、処分在庫で構わないと告げ、私は念願のPrivを入手した。

「明らかにムジュンしています!」(逆転裁判風に)

 帰る道すがら考えた。二人の店員が言うことは完全に矛盾している。どちらかが嘘をついているか、意図的でないにしても誤った情報を伝えている。内容の不自然さからいって、恐らく最初の店員が間違っていると推測できた。本当は売約などなく、在庫がなかったのだろう。
 購入票については、在庫がないのにディスプレイしている品があると見栄えが悪いから、わざと残していた可能性がある。実際、最初の店舗に翌日行ったところ、票はそのまま2枚残っていた。ただ、それなら何故取り寄せを提案しなかったのかがわからない。次の店の店員はそうしようとしたわけだし、結果的に最初の店は私という客を逃がしている。
 それとも時々言われる、他のメーカーからの派遣だったため、Privが売れても得にならないから何も言わなかったのだろうか。 
 考えても結論は出なかった。もしこれでPrivを入手し損ね、しかも今後手に入る見込みがゼロに近かったら、ブログには何も書かず、店員と喧嘩しに戻ったかもしれないが、幸い品は入手できたし、特定の店や店員を糾弾したいわけでもない(なのでここに店名は書かない)。

 ただそれ以降、私はその量販店の店頭在庫票を眉に唾をつけてみる習慣がついた、それだけである。