「また御社か」を教えてくれた人へ

 もう一つのPBMのグランドマスター新城カズマさん)は最近こんなパネルディスカッションに参加したりしているようだ。

http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20091126058/

 ここでちょっと、ARGについて触れてみる。

 ARG(代替現実ゲーム)についてはゲーム関係のメーカーに勤めている友達から話を聞いて、存在を知ってはいた。簡単に説明すると、現実世界を舞台にした巨大な規模のライブRPGとでもなろうか(自分が何かの役割を演じる要素はない)。
 最初聞いた時、正直言って戸惑いを覚えた。今も、これをゲームと呼ぶことにはかなり違和感がある。
 この4gamerの記事でも触れられているが、ARGは現実世界を舞台としているため、何らかのトラブルが発生した時のリスクが大きすぎる。ブレアウィッチプロジェクトのように映画館で映画を見るとか、ネットで調べ物をするくらいで完結するストーリーならまだいいが、手がかり探索中に車にはねられる参加者が出たり、突然かかってきた電話を勘違いして警察に通報されたり、ゲーム中に(ゲーム中といったって参加していない人にしてみれば一般社会のど真ん中だ)参加者同士で喧嘩になったりしたら、主催者は責任を負いきれないと思う。MMORPGやライブRPG、PBMのオフ会に参加した経験からいうと、辺り憚らず喧嘩というのが一番ありそうだが…。
 ゲームは仮想世界だからこそゲームだと、私は思う。将棋や囲碁だって棋盤や碁盤の上で全ての片がつく。ARGが「新しい何かの可能性」を見せてくれるのは確かだが、今のままだとゲームとは言い辛いのではないだろうか。

 新城さんはARGを主催する立場で意見を述べているわけではないが、積極的にゲームに参加するプレイヤーの中からさらに一部を「優秀なプレイヤー」と賞するあたりはいかにも蓬莱のグランドマスターだった新城さんらしい。TRPGのゲームデザイナーやMMORPGのクリエイターはこうは言わないだろう。

 ゲームというジャンルに関して言えば、物語は存在しなくてもゲームは成立すると思う。私がまず連想したのはウィザードリィだ(最低限の物語はあるが…)。
 また、MMORPGなどのオンラインゲームでは、ゲーム製作者が用意したストーリーの他に「物語」や「ドラマ」が生まれることは決して珍しいことではない。
 しかし、ならばゲームに物語は不要か、と言われると難しい。個人的には「ゲームを構成する要素の一つで、不要ではないが必須でもない」と考える。