「ロードス島戦記オンライン」は原作の幕間を埋める作品になる。原作者水野氏と運営プロデューサー加藤氏へのロングインタビューを掲載
前にこのブログで取り上げたとき、企画者がロードス島戦記の知名度に便乗した企画で内容に詳しくないからこうなったのかと思ったけど、認識が変わった。D&Dを日本語版の黎明期からプレイして、コンプティークの連載を全部読み、SWの「羽根頭」のことも知ってるなら多分古参TRPGゲーマーと言っていいと思う。
つまり、知らずにやってるんじゃなくて知っててやってるってことか。より救いがないんだけど。
加藤氏:
実のところ,種族や技能を自由に選べるという案も初期にはありました。しかしロードス島戦記という原作があることを考えると,プレイヤーキャラクターにも背景があったほうが,物語に絡めやすい。自由にキャラクターが作れるというのは,確かに一つのメリットですが,一方で物語に深みを出すのが難しくなるという欠点がありましたから。
私はTRPGに関してはサンプルキャラ、プレロールドキャラもありだと思っている。それはもちろん、同じキャラを使ってもプレイヤーによって個性付けがいろいろできるし、背景などをROCで肉付けできるようにちゃんとなっているから。何よりTRPGにはセッション時間という大きなハードルがあって、それをクリアする最適な手段の一つだからだ。
逆に、プレイ時間の縛りがそこまできつくなく、プレイヤー自身がキャラクターの個性付けすることが難しいMMORPGで、キャラのクラスも種族も背景も自動的に決められてることに対してはまったくメリットを感じない。
4Gamer:
魔神戦争の時代って,設定がすごくMMORPG向きじゃないですか? あちこちを普通に魔神達が闊歩していて,しかもエンドコンテンツとしておあつらえ向きの「最も深き迷宮」なんてものまである。加藤氏:
おっしゃることはよく分かりますよ。でも今回は,コアなファンはもちろんなのですが,先日発売された新装版でロードス島を知ったような,ライトな方にもちゃんとプレイしていただきたかった。そういったこともあって,小説の最初のエピソードをもってくるのが適切と考えました。
4Gamer:
ライト層にもということで,また疑問があるのですが,「灰色の魔女」の時代から先に進むとなると,必然的に英雄戦争から邪神戦争にかけてを描くことになります。モンスターとの戦いはもちろんあるでしょうが,この時代はどちらかといえば人と人の戦いが中心です。つまり,PvPやRvRといったコア層寄りの要素が求められるのではないかと思うのですが,この点はいかがですか。加藤氏:
PvPや戦争などの要素は,将来的に入れたいとは考えています。ですが,「ロードス島戦記オンライン」という作品には,あまり合わないのでは,とも思っているんです。なので今のところは対人ではなく,モンスター相手のPvEを楽しんでいただきたい。むしろレイドコンテツのような,皆で強力なボスモンスターと戦うコンテンツを優先したいです。
新装版でロードス島伝説も出し直せばいいだけじゃないの? ってか、戦記でやるけどPVPはやりません、伝説の方がMMORPGに向いてると思うけどやりません、ってどういうこと? そもそも本当にライトな人間で新装版を手に取ってMMORPG始める人なんて激レア種族だと思うんだけど。
設定は勝手についてくる、PVPはできない。それでカノンの第三王子を探してる同じ設定の騎士が同じワールド内に何十人も何百人も闊歩するわけ? そこまで言うならコンシューマのオフラインゲーで出せばいいじゃない。うんうん、わかるよ。基本無料のアイテム課金ゲームじゃないと「企画が通らない」んでしょ?(笑) ホント嫌な時代だなぁ……。
おまけ
水野氏:
それにしてもさ,このマジックユーザーの設定,ハーフエルフで賢者の学院出身のソーサラーって,かなりキワドイよね。4Gamer:
キワドイというのは,えーとつまり,いわゆるマンチキン的(※3)な意味ですか。加藤氏:
いやまあ,まったくあり得ない設定ではないんですけど。ダイス目にも寄りますが,エルフやハーフエルフのソーサラーは,かなり使いやすいですからね(笑)。水野氏:
エルフだと死にやすいけど,ハーフエルフはかなり使い勝手がいいんだよ。
スイフリーは相変わらずひでーな(笑)。
なお、リプレイで使われていたロードス島戦記コンパニオンのルールを採用してプレイする限り、エルフとハーフエルフの生命力(LPと呼ばれる)には大きな差異はないし、魔法を使う能力も種族ではなくクラスによって決定されるため、ほとんど違いはない。
彼らが言っているのは多分、種族によって初期能力値が大きく変わり、それがHPや魔法を使う技能の達成値に直結する、つまりソードワールドのことだと思うんだけど、ロードスの記事なんだからロードスのTRPG版の話をしようよ……まして、対談者の一人はデザイナー張本人なんだから。