時はまさに世紀末

 先日、対戦格闘ゲーム「AC北斗の拳」でジャギ対ユダ戦という極めて不利なキャラ相性をひっくり返して勝つ中野TRFの動画をご紹介した。
 名勝負だとは思うのだが、ニコニコ動画の「中野TRF」タグでみると、再生数は2番目だ。再生数トップはこちらの動画である。



 実際再生してみるまで、この動画が何故そんなに再生数が多いのかわからなかったのだが……。


 はっきり言ってしまうと、この動画の見所は16:00くらいから始まる最後の対戦、ケンシロウVSレイ戦である。











 ダイジェストで観たいor観てもよくわからなかった方のためにお節介かつ蛇足ながらちょっと解説を(流れているコメントで大体わかると思うが)。
 1ラウンド目をケンシロウが取った2ラウンド目。引き続きケンシロウ側有利で対戦が進み、ケンシロウの体力がほぼ満タンの状態でレイに「北斗懺悔拳」が決まる。
 これは原作では秘孔をついてから3秒後に相手がそれまでの罪を悔いてから死ぬという奥義で、ゲームでは画面上でカウントダウンが始まりそれがゼロになると(実際には本当の3秒間よりは長い)、どれだけ体力が残っていようが即死する。なのに、これはなぜか一撃必殺技ではない。一撃で死ぬのに一撃必殺技ではないというのも変な表現だが……。その代わり、この技は実戦では非常に決めにくい。死兆星を一つ奪う効果もあるのだが、決めにくさゆえにほとんど使われることのない技である。
 それはともかく、死のカウントダウンが始まり、ここからレイの猛反撃がスタートする。逃げるケンシロウに追いすがり、ほとんど満タンのケンシロウの体力をコンボで削りきる。子の時点で残りカウントは0.08。TRFの猛者どもが思わず沸くほどの逆転劇である。


 ところが……。


 第3ラウンド開始と同時にヘヴィーストライクブーストキャンセル一撃必殺技がヒット。なんと開幕1秒でレイは瞬殺されてしまう。前ラウンドに精神力を使い果たしていたのか、まさに「え?え?」という間に勝負が終わってしまうのだ。
 「持続懺悔拳」のタグは、まるで0.08秒のカウントが継続していたかのように倒されてしまったことからついたもの。あまりの展開に実況のDAICHI氏も笑いっぱなしである。


 ユダVSジャギ戦のような名勝負ではないが、いかにも世紀末格闘ゲームらしい展開。再生数トップも頷ける迷勝負であるといえるだろう。