この記事の元になっている孫社長の発言にも思うところはいろいろあるのだけれど……。
なにしろiPadは手のひらサイズだから、携帯するにも便利だし、WEBの検索・閲覧などはパソコンとあまり変わらない。
この記事を書いた人は、本当はiPadのことをあんまりよく知らないか、iPadとiPhoneの区別がついていないか、あるいは巨大な手を持った人物のいずれかだろう。24cm×19cmあるiPadを「手のひらサイズ」と呼称する人はそうそういない。
あと、価格コムの調査を掲載してるけど、これこそ典型的な新聞記事の書き方というか、錯覚をうまく利用した表現だ。「ユーザー回答者1万850人のうち15%がiPadを購入」と書かれると、まるで1万人の大部分がiPadを使っているように一瞬感じてしまうが、この部分で言ってることは「1500人ちょっとの人がiPadを買ったと価格コムで報告しているよ」ということだけだ。
前にも別のエントリで書いたけど、iPadは用途を間違えなければすごく便利なデバイスだ。ただ、こういう記事を読んでパソコンに詳しくない人が「なるほど、iPadはノートパソコンの替わりになるんだ!」と勘違いしてしまうとかなり失望するんじゃないだろうか。
PCとiPadはそもそも用途が違う。
私は自室でブログを書くので、自室にいる時のPCをiPadに替えることはできない。キーボードがないからだ。前にiPad関連記事でiPadとブルートゥースキーボードを組み合わせて使っている人を紹介していたけれど、それだったらノートPCを使うのとあまり変わらないし、iPadのソフトウェアキーボードは数分間使ってみたけれど打ちやすいとは思えなかった。
で、仕事でもオフィスソフトを使うので、仕事用のPCをiPadに替えることもできない。
iPadは「閲覧に特化された専用端末」でしかも「移動中には使えない」。この特徴を踏まえた上で有効利用できれば優れたデバイスだ。既存の何かを置き替えるものではなく、新しいデバイスなのだ。ここを誤解してしまうことは、iPadにとってもユーザーにとっても不幸なことだ。