TRPGに向かない人

 私はTRPGが好きだ。このブログでも基本的にTRPGを肯定的に取り上げてきている。しかし、TRPGは万人に向いている趣味かというとそうではない。向き不向きがあると私は考えている。別に統計を取ったわけでもなんでもなく、単に経験からくる感覚的なものだが。
 今までも散々書いてきたが、「TRPGそのもの、あるいは関連ジャンルに対する知識の深さ」はTRPGについての向き不向きとはまったく関係がない。初心者でTRPGのことをまったく知らなかった人でも初対面の面子で楽しく遊べることはあるし、もう20年以上(自称)もTRPGを趣味としていながら、同席しても全然面白いと思えないプレイングをする人もいる。これは多分に相性の問題もあると思うが、誰とやっても「あの人と遊んでも楽しくない」となりがちなプレイヤーは悲しいことだが存在する。
 意図的に相手に嫌がらせをすることを楽しむ人などは正直論外のレベルだが、必ずしも悪意がなくても、TRPGに向かない人はいる。例えば、次のような条件に当てはまる人はその可能性が高い。


・負けず嫌いで、自分が間違ったことを言っているのに認められず意固地になる人。


・知識を持っていながらそれを自慢し、他のプレイヤーやGMを見下す態度を取る人。


・善意である(悪意でない)ことを免罪符にして他者に自分の意図どおりの行動を強制する人。


 特に二番目と三番目は、自分では良いと思っている、あるいは良かれと思っていることがセッションにおいては完全に逆効果に働くため、特に性質が悪い。
 TRPGはコミュニケーションのゲームだ。相手の意図や感情を無視することは、例えそれが結果的にプレイヤーたちに利益をもたらす行動であったとしても、決して望ましくない。TRPGのセッションは、時としてプレイヤー間でコンセンサスを取らなかった勝利より、コンセンサスの取れた敗北の方が「ゲームとしては成功」なことがある。
 また、GMの視点から述べるなら、プレイヤーから「なぜそうなるのか」「どうしてシナリオの展開がこうなったのか」と聞かれた時に「そんなのは常識だ」などといってプレイヤーの知識不足のせいなどにし、説明をおろそかにするのは責任の放棄だ。「あのサプリメントのあの場所にこう載っていたから」というだけではなく、ちゃんとプレイヤーが納得がいくように説明しなければならない。
 豊富な知識や経験はそれだけではセッションの成功条件にはならない。その知識を振り回すのであれば、むしろかえってセッション成功の阻害要因にすらなりうる。*1

 例えばであるが、(そんな人はいないと思いたいが)「相手からの批判は認めない、質問はブロックする、説明を求められたら長い横文字の羅列とマイナーな資料を挙げて煙に撒く、責められたら「拡散希望! 拡散希望!」などと反論を声高に叫び出すような人がもしいたとしたら、文壇ならどうだか知らないが、TRPGという業界には全然向いていないと私は思う。


 え? 何の話かって? あくまでも一般論ですよ、もちろん。


 つらつらと取りとめもなく書いてしまったので、また整理するかも。

*1:SNEの藤澤さんによるぺらぺらーずのりプレイと、同じSNEの大御所である某氏の書いたリプレイを読み比べてみれば一目瞭然だ。