ターゲットはいずこ

【IDF特別編】Intelは誰にUltrabookを使わせたいのか

 バッテリが丸1日保ち、携行性に優れた薄くて軽いPCとしてのUltrabookは、スマートフォンタブレットなどのスマートデバイスの浸透によって、それが使われるシーンは減少の傾向にある。スマートデバイスは情報を消費するものであり、PCは情報をクリエイトするものであるとされるのが一般的だが、1日のうち、人が情報をクリエイトしている時間はどれほどの割合なのか。クリエイトのための準備として、アイデアを蓄積したりといったことは継続的に行なっているにしても、そのためにPCは必須ではないようにも感じている。

 情報を操るプロフェッショナルがそうなのだ。まして、コンシューマはまさに文字通り、機器の消費者であると同時に、情報の消費者でもある。理想のモバイルPCとしてのUltrabookが完成しようとしているときに、世の中のトレンドがこんなふうに進行しているといることで、Intelが提唱するビジョンが、なんとなく奥歯に物の挟まった感じになっているのは、そんな背景もあるのかもしれない。


 人間って、自分の行動に合わせてデバイスを選ぶのと同時に、デバイスに行動を合わせるっていう側面もあると思う。つまり、今までノートPCを持ち歩いていた人が代わりにタブレットを持ち歩くことで、それまでアウトプットしていた情報をアウトプットしなくなる、ということもあるんじゃないだろうか。
 あと一つ気になってるのは、Windows8の起動スピードと消費電力だ。トレードオフがないってことはそれなりに性能が必要で、起動にも時間がかかるし消費電力も大きいってことじゃないか? 携帯デバイスであるiPodTouchなどのiOS機器を使っていると、この二つは徹底していて現行のWindows7ではどうにも勝ち目があるように見えない。どうにか工夫して、この部分で勝つまではいかなくても肩を並べるまでいかないと、まともに戦えないんじゃないだろうか。