ニコニコ超会議に行ってきました

 前回の超会議があった時に、どんなことをやっているのか一度見てみたいと思ったのだけど、最近まですっかり忘れていた。ところが、ニコニコ動画が導入した再生前CMで超会議の宣伝を流しまくっていることもあり、急に思い立って出かけることにした。 
 会場前に長蛇の列ができているなんていうニュースもあったけれど、私が会場に辿りついた昼過ぎにはもう列はほとんどなく、順調に会場に入ることができた。



 第一印象は、誤解を恐れずいうなら、若い女性の参加者の数が多い。前に例大祭のことを書いた時に「世代が若くて女性が多かった」と書いたが、その比ではない(あれはあくまでもコミケに比べての話)。下手したら本当に半分以上女性じゃないかというほどの数で、さらにそのうちの多くが小学生や中学生にしか見えない年齢だ。
 コミケ例大祭、TGCやJGCといろいろなイベントに参加してきた私だが、さすがに目の前を数十人の女子中学生(?)がぞろぞろと連れ立ってイベント会場を横切るのを目にした時は唖然とした。君たちはクラス単位でイベントに参加してるのか? ……まぁ、仮にそうだったとしても別に未成年お断りのコンテンツがあるわけではないので構わないのだろうが……。
 なんとなく、ニコニコ絡みの不祥事が起こるのにも納得がいった気がする。ネットやコンピュータしか相手にしてこなかった女性経験に乏しい男性が(私自身も含む)、まだ判断力が未成熟な沢山の女性にキャーキャー持ち上げられれば、そりゃ悪い気はしないだろうし、欲望に耐えるには相当な精神力が必要だろう。

提督ゥ! 40分待ちデース!


 最初に向かったのは艦これのブースだった。私が事前にイメージしていたのはこれ。


ラブライブ!】アニメジャパン2014のアイドル研究部部室再現が凄い!(リンク切れ)


 ところが冒頭の写真でお分かりのとおり、このブースは「金剛と島風と一緒に記念写真を撮る」のがメインで、しかもブースの目の前に列を作るタイプだったので「提督の執務室の内装をどう再現しているか見たい」という私のような人間には辛かった。もっとも、モデルさんがいる時点で写真を撮る気はなかったのだが(私はイベント会場で「人間の撮影」はしないポリシーだ)。

幕張メッセでボクと握手


 逆に、一番面白かったのはこれ。立体視のHMDを被り、目の前の手の模型と握手をすると、画面の向こうのMMDがそれに反応して動くというブースだ。これと、各社のTVにニコニコのコメントを取り込める機能を持たせたモデルを見せる未来研究所のブースが一番未来を感じた。
 もう一つ、MMDモデルと記念撮影をする、というブースもなかなか惹かれるものはあったのだが、先ほど述べた「イベント会場で人間の撮影をしない」というのには「自分自身」も含まれるので、記念撮影はしなかった。ただ、こちらのブースも撮影しようとする人間に合わせてMMDが動いてくれる(腕を組んでくれるとか、こちらがしゃがむと合わせてしゃがんだりする)のだが、いったいどうやって制御しているのかはすごく気になったけれど。

これはミクさんじゃないんじゃ


 どう見てもダヨーさんです。本当にありがとうございました。

ネットと現実は融合したか?

 イベント全体としては、会場が同じせいかTGSに似た雰囲気、という印象だった。


 ただ、現実とネットの融合という意味では、会場に来ている人間は生中継でネットユーザーによって見られ、コメントされるが、逆はやりにくい、というのは残念だった。私が想像していたのは、例えばとあるブースの前に立ってスマホフィーチャーフォンをかざせば、そのブースを中継しているニコニコ動画に接続でき、そこから会場を見ているユーザーにコメントを投げられる……そんな空間だったのだけれど、あの場でニコニコ動画にコメントするには普通に会場外と同じ方法でニコニコ動画に接続しなければならず、相当ガッツリとモバイル装備に身を固めていないと難しいだろう。3G回線ですらあの会場ではアンテナが3本立たないことがあり(平時でもそうなのか、人が多いからそうだったのかはわからない)、アクセスポイントも見当たらなかった。
 実際、ブースに長蛇の列ができていても、そこでニコニコ動画を見ていると思しき人はあまりいなかったし、来場者から投げられたと思われるコメントを見かけることもなかった。会場に来ているんだからわざわざニコニコ動画のサイトを見る必要はない……ではなく、会場にいるからこそサイトに接続する意味がある、というところまで辿りついたなら、文字どおり「現実とネットの融合」を果たせたといえる気がするのだが。*1


 とはいえ、沢山のイラストレーターの手によるボーカロイドが描かれたゲートがあるかと思えば、近くでは自民党共産党が並んで幟を立て、その向こうでウォールクライムに挑戦する男女がいるかと思えば反対側にはライブ会場、さらにその隣ではミクが来場者を腕を組んでいる。ダイオウグソクムシのグッズを売る横で自衛隊がヘリを展示して、そもそも全部のブースの中央に位置しているのは“相撲”という、主催者自身が認めるように「カオス」な空間だった。その意味では、現実世界に現れたニコニコ動画というサイトそのものだと言われれば、確かにそうなのだろう、というのが素直な感想である。

*1:なお、そういう意味では3DSのすれ違い通信が一番スマートデバイスを生かしたコンテンツだったのだが……家を出かける時、散々迷った挙句持って出るのをやめてしまった。私自身の自業自得という面も無きにしも非ずだが。