そういう見方もあるのか

あの鈴木銀一郎氏がついに提督デビュー。本当に今からでも遅くない,80歳ぐらいからの「艦これ」のススメ


 TRPGファンとしては色々言いたいこともある鈴木氏だけど(笑)、ゲームシステムに対する物の見方は流石というか。文句を言う人がしばしば目に付く「戦闘時に一切操作できないこと」についてデザイン面からメリットを指摘しているのは、シミュレーションゲーマーの間で伝説とされる御仁ならではの視点だ。

鈴木氏:それはもう,間違いなくオススメできます。
  「艦これ」の戦闘は,最初に艦隊を編成して,戦闘前に陣形を決めたら,そこから先にプレイヤーが介入する余地がありませんよね? この,「戦闘で操作できない」というのは,とても重要なんです。


――確かに,戦闘にアクション性はありません。


鈴木氏:アクションに限らないんです。艦隊の1艦ずつを,細かく操ることができるという段階で,その部分のテクニックが問われてしまうわけですよ。
 「艦これ」は,戦闘そのものではなく,戦闘の準備がメインになるゲーム設計になっています。これはつまり,そこにどれだけ時間を使ってもよい,ということです。
 確かに,メニュー画面を見ると,選択肢の多いゲームだなと思います。ですがその選択肢の多くは,いくつかの例外を除けば,何を選んでも「より艦隊が強化される方向」に進むわけです。となれば,選択肢は多くて構わないんです。むしろそのほうが,遊んでいて楽しいでしょ。
 そうやって,たくさんの選択肢を自分なりに組み合わせていって,好きなだけ時間を使って艦隊を強化していけば,いつか必ず強敵も撃破できる。これは「艦隊これくしょん -艦これ-」という,コレクションゲームの方向性として大変に正しいですし,初心者にも優しい構造ですよ。


 アニメ業界のMとかTとかOみたいに、この手の業界の重鎮にありがちな「新しいものに対してただケチをつけるだけ」じゃなく、いいところを見出してちゃんと褒めるあたり、この御年になっても周りから尊敬する人が消えない理由が良く分かる。