結局辞めたんかい

【上期総括】「エンタメは即死するもの」「荒唐無稽な破壊が必要」…スマホゲーム黎明期から開発を続ける元スクエニの安藤武博氏に訊く市場の今後


 スクエニの看板背負ったままあれだけ好き放題喋っておいて今更辞めるんか……。
 ちなみにインタビュー全文読んだけど、徹頭徹尾「正しいかもしれないけどお前が言うな」というコメントしか浮かばなかったわ(笑)。あと相変わらずこの人金の話しかしねーなー。


 もうちょっと真面目に話をすると、私はエンターテイメントは即死するとは思っていない。消費者は新しくて面白いものを求めているが、同時に保守的だ。今あるエンターテイメントの中で、5年前にその原型がどこにもなかったものを数えるほうが難しい。ゲームに限らず映画だって小説だって漫画だって、王道というのは存在する。パズドラは新しいが、パズルやトレーディングカード自体は10年以上前からあるものだ。ツムツムの爽快感はテトリスやバズルボブルの爽快感の延長線上にあるし、FF13も綺麗な画面を除けば本質的な面では初代FFと変わっていない。安藤氏が、自分が作っているものは独創的でオリジナリティがあると思っているのであれば、それはクリエイターとして傲慢以外の何者でもない。
 むしろ今の時代のブレイクスルーは通信技術や画像処理などテクノロジー的な面がもたらす「かつての王道+α」の「+α」の部分によって大きく変わったように見えているだけだ、というのが私の見解だ。ジョブスがやったことだってそうだ。iPhoneiPodが世に生まれた時「売れない」と評する人はいたが「荒唐無稽で理解不能だ」と評した人間は記憶にない。未来は今と地続きの先にある。


 一点だけ同意するのは「急成長したものは急に死ぬ」こと。エンターテイメントはどうだか知らないが、金を取ることしか考えてこなかったソシャゲがある日突然死んでも、まったく不思議には思わない。そして安藤氏のような人物こそ、その「主犯」の一人なのだ。