腑に落ちた

スマゲ★革命 出張版スペシャル「スマートフォンで始まる『ドラクエ』の新たな冒険 前編」


 この間デマ記事にノセられていい加減なエントリを書いてしまったけど、このインタビューを読んでなんとなく腑に落ちた。
 インタビュアーの安藤氏って人はケイオスリングスをやめてソシャゲに転向した人なのに、記事の中では臆面もなく「パッケージゲームも大事だと思うんです」的な発言をしてる(この人はことあるごとにこれを口にする)んで私はあんまり信用してないんだけど、堀井さんが言ってることはさすがに一本筋が通ってる。
 そもそもこのインタビュー記事の見所自体が、安藤氏がなんとか堀井さんから「スマホで新作出します」という言質を引きずり出したいのを、堀井さんがのらりくらりと逃げるところ、っていう……(笑)。Xについても「チャレンジの意味合いが強い」とはっきり言い切ってるから、たぶん「普通に快適に」プレイすることは求めてないんだろう。

安藤 新たなチャレンジを一気にやられているご多忙な状況で聞きづらいのですが、『ドラクエ』シリーズの続編は今後も当然出ると思います。単純にデバイスのスペックだけを考えると、続編をスマホでも家庭用ゲーム機でも同時期に遊びたいと思うのがファンの心理。でも作り手としては、入力デバイスがぜんぜん違うので、ひと筋縄ではいかないだろうなということも理解しています。そのうえであえてお聞きすると、今回ナンバリングタイトルがスマホで出たので「続編もスマホで出る可能性はあるのかも?」と期待するのですが。


堀井 そう簡単な話ではないと思います。続編の『Ⅺ』をスマホで、という話は現段階では”ない”です。スマホで続編を出すには、まだ乗り越えなければいけないものがたくさんあると思っています。


安藤 現段階で「続編はスマホで出ない」。この言葉、やはり重みがありますね〜。一方で、僕らはいまスマホを主戦場としてゲームを作っているので、「スマホはゲーム機なんだ」ということを自分に言い聞かせて仕事をしている部分もあるんです。今回お話を聞くと、堀井さんのお考えがハッキリとわかった気がします。


堀井 スマホスマホで、ゲーム機ではないですよね。ゲーム機の代わりになるものではなくて、スマホしか持っていない人たちに何を提供するか、ということだと思うんですよ。


 「続編はスマホではない」「スマホはゲーム機ではない」はっきり言い切ってるもんなあ。毎日新聞のライターだったっけ? ちゃんとこれ読んでるか? 製作者は石橋を叩いて渡るなんて一言も言ってないぞ?(そもそも売れてるハードにしか「移植」しないっていうならMSXでDQなんて出ないだろうよ)

堀井 今回発表した一連のスマホの展開は、”ゲーマーじゃない人たちにもゲームを遊んでほしい”というのがいちばんの想いです。『ドラクエ』シリーズは本格的なゲーム。過去にシリーズ作品を遊んでいただいた方にはもちろん、初めてシリーズをプレイする方もぜひ遊んでいただきたいですね。まだ自分の中ではスマホで本格的なゲームを遊んでもらえるのか、という明確な確信はないのですが、『ドラクエ』のような遊びがスマホのユーザーの方たちにとってありかなしか。これも新しいチャレンジだと思っています。

ソシャゲとゲームセンター

 この記事を読んで改めて考えたんだけど、基本無料というのはちょっと特殊ではあるものの、追加課金するタイプのソシャゲを「1回のプレイ料金が安い代わりに最後までいけるとは限らず、お金を注ぎ込むほど先に進める」ゲームと考えると、子供からすると昔でいうゲームセンターの感覚に近いのかな、と。友人とのコミュニケーションツールとして使える辺りも似ている。どこへも出かけずにゲーセンで遊ぶのと同じようなことができるわけだから、そりゃゲーセンも廃れるわ。
 じゃあ、ゲーセンと似たような位置づけだからかつてゲーセンに通っていた私がソシャゲを認めるか、というと、うーん。前から散々言っているように、やっぱりクレジットカードで通話料金と一緒に強制決済という支払い方法に問題がありすぎる。子供がゲーセンでどんなに金使ったって財布の中身以上には使えないし、そもそも単価が高くたって200円までだから使う額もたかが知れてる(それだってあっという間に5千円くらい消えたりする)けど、ソシャゲのアイテム課金はそんなレベルじゃないからな〜。ゲーセンに例えるなら、出かけようとしてる子供に親の財布から預金通帳から銀行印付きで渡しちゃうようなものな訳で。クレカ番号渡す親が悪いっていう意見もあるだろうけども、実際親のカードや通帳くすねるよりカード番号聞くほうが遥かに簡単だろうし、心理的なハードルも低いだろう。
 何度も書くけど、支払い方法がプリペイドカード方式だったのなら、これほど問題にはならなかっただろうに……とつくづく思う。