シビル・ウォーに向けての復習

 改めてアベンジャーズ2を見直したところ、事前公開されてたこのPVのちょうど直前と直後に、割と気になるシーンがあった。



 なお、ディスク版発売前に公開されたこちらのバージョンでは、その「前後のシーン」も収録されている。



 このシーン、社長の性格がよく出てると思う。
 まず、私もネットを見ていて初めて知ったが、この「アイアンマン・ハルクバスター」と「ヴェロニカ」。そもそも「ヴェロニカ」という名前はハルクと縁のある名前、らしい(ハルクの恋人、ベティの友人?)。
 その前提や、そして作中でこのスーツが実際に「ハルクバスター」と呼ばれるシーンが存在しないことを抜きにしても、このスーツは明らかに「対ハルク用」に設計されたスーツである。
 まず、シーンの冒頭でハルクを閉じ込める「檻」(ケージ)。これはどう見てもハルクより大きい相手には意味がないサイズだ。ハルクと同等か、それより小さい相手でないと檻に入りきらない。
 次に、ハルクバスターがハルクの腕を拘束するシーン。こちらはハルクより大きい相手はおろか、小さい相手にも効果がない。ハルクの腕と全く同サイズに作られているからだ。

 そんなの当たり前じゃないか、というかもしれないが、言い方を変えるとこうなる。
「トニー・スタークは、ウルトロンの製造やヴィジョンの創造でブルース・バナー博士と協力し合っていながら、裏では対ハルク用の兵器を製作していた」。
 スーツそのものの製作にブルース・バナーが関わっているのでは、なんて意見もネットでは目にしたけれど、私は恐らくそうではないと思う。根拠の一つは、このスーツをバナーたちが出入りするスタークタワーではなく、静止衛星軌道上に待機させていたことだ。シビルウォーのPVで、アイアンマンがキャプテンアメリカに向かって「私たちは友達じゃないのか?」と問いかけるシーンがあるが、そもそもトニー自身が仲間としてアベンジャーズのメンバーを信用しているように見えないのだ。
 アベンジャーズ2でもあったように、トニーは悩みを抱えてもそれを分かち合わず、自分ひとりで解決しようとする。原作はどうだかわからないけれど、少なくともマーベルシネマティックユニバースのトニーなら、自宅に「対ソー用のスーツ」「対キャプテンアメリカ用のスーツ」を隠し持っていても不思議には思わない。それはアイアンマン3で描かれたような、トニー自身のパラノイアックな性格によるものだ。
 冒頭のシーンにしても、最初からヴェロニカを出さず子守唄を頼んだのは、ヴェロニカが切り札だったからだろう。逆に、ブラックウィドウの協力は無理だ、とホークアイに言われてからヴェロニカの投入を決めるまでには、逡巡や躊躇が全く感じられない。同じアベンジャーズのメンバーが相手でも、必要があれば迷いはない。それがここまでに描かれたトニーの人物像であり、これは恐らくシビルウォーで最悪の形で発現するのではないか、と思うのだが……。


 しかし、関係ないけどこれ、噂通り吹き替えひっどいな。見比べちゃうと一層……(笑)。