これは面白かった

木根さんの1人でキネマ 13本目


 どこぞのマンガの「ダークナイトは面白くない」ってのは生理的に受け付けなかった私だが、このマンガは面白かった。いや、お説ごもっとも(笑)。
 どこが違うかっていうと、目線。この「13本目」が面白くてつい単行本も買っちゃったんだけど、例えば11本目のマッドマックスの話。趣味人の木根さんに付き合う佐藤(旧姓水城)さん大変……っていう視点で書かれてるけど、そもそも佐藤さん自身が離婚して木根さんのところに転がり込んでるという前提があるんで、関係が一方的じゃない。13本目の後半も、論破したいためとはいえ木根さんと同じ視点で話をしている。これは他のエピソードも同じ。どこぞのマンガみたいに一方的な上から目線じゃないのがいい。

 いやー、もやもやしてたのが、このマンガのお陰でスカッとしてよかった。




 大人になりきれない大人の女性二人のルームシェア話ってだけで大好物なのだが、最初2話でルームシェアになった時「あれ? 一人でキネマなのに?」と思ったら、結局映画を見るときはほとんど「木根さん一人」だったんで納得した(笑)。
 クリスマスのエピソードとか「同級の子供が中学生と言われて酔いが冷める」とか、描き方によってはそれこそ某マンガみたいにドロッドロに描くこともできそうなものをサラッと流されるんで、読んでてイライラしない。ジブリとかも「ああ、あるある」で笑えるし、それこそ思い入れも何もまったくない作品を紹介されれても、面白く読める。スターウォーズは電車内で吹いたけど(笑)。