
- 作者: アサイ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2018/07/27
- メディア: Kindle版
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木根さんが流行したからなのか、それとも他に火付け役的な作品があるのかどうかわからないが、映画を紹介する漫画を時折目にするようになった。それを読む度に「映画を上手に、しかも面白く紹介するって難しいんだな」とつくづく思う。
「木根さん」が秀逸なのは、映画紹介の形を取って映画ファンを鏡のように写し取る、もっといえば映画ファンの心を抉るような作品だから、そこが面白いのだと思う。紹介が主題ではない。「木根さん」自身の台詞から引用するなら「映画の話じゃなくて、映画を見てる人の話」なのだ。
今巻でいうと、レンタルビデオ屋の主人などは、実在したらかなりヤバいレベルでおかしい(笑)。これも、映画ファンの一つの形をカリカチュアしたものなのだろう。だから「こんな店員いねーだろ」というのはナンセンスなのだ。いやホントにいたらごめんなさいするしかないが……。

おやすみシェヘラザード 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)
- 作者: 篠房六郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/07/30
- メディア: コミック
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こちらは紹介記事を読んだことがあったので、続きを読もうと手に取ってみた。こっちは「木根さん」とは逆だ。映画ファンを写し取るのではなくて、あくまでも箆里さんという特異なキャラクターを魅せることに特化している。映画の紹介は、あくまでもそのためのツールだ。
おやすみシェヘラザード、連載が始まってから一月「映画レビュー漫画としてあまりに未熟」との叱咤の声を多数頂きましたので、反省すると共に「映画レビュー漫画」の看板をここに下ろし、今新たに「映画レビューチャレンジ漫画」の看板の元、いつか立派なレビューが書けるよう励んでいく所存であります pic.twitter.com/ERlKFhm1GD
— 篠房六郎 (@sino6) 2018年4月2日
作者はこんなことを言っているが、これ自体が一種の諧謔なのだろう。何しろ今作は、箆里さんの映画の解説が「とてつもなくヘタクソ」という前提に立っている。面白く紹介してしまったら物語が成立しない。レビューが下手だというのは、演出意図どおりであって、ある意味褒め言葉なのだ。なので、取り上げられている作品は「既に広く知られている」か「この先見ようという人があまりいない」という方が良いのだろう。また、そういう観点で選ばれているようにも見える。
なお、明後日までだが、現在公開の最新話は「魔法少女まどかマギカ」である。
【更新情報】「やわらかスピリッツ」連載作品『おやすみシェヘラザード』第10夜 『魔法少女まどか☆マギカ』を更新しました! https://t.co/LZte7ctsnC #おやすみシェヘラザード pic.twitter.com/8XwOAi3NUZ
— やわらかスピリッツ (@yawaspi) 2018年7月26日
読んだ瞬間突っ込みたかったんだけど……箆里さん……これ劇場版じゃなくてテレビ版のレビューです……(笑)。