攻殻繋がりで


 最後にさらっと執筆者が代わった旨が書かれててショックだった。前章のアメ帝絡みが一段楽したところで物語を終えず、この先も続けるのなら、今って結構ターニングポイントっぽいと思うんだけど大丈夫だろうか……?
 前巻の感想で冗談交じりに、士朗さんは六道さんにアップルシードの続編を描かせるつもりかと書いたけど、あながち間違いでもないというか。アップルシードから士朗さんを追いかけてる人間としては、驚きの設定が続々明らかになったりして続きが楽しみなんだが……。

 特に「え?」という感じだったのが「ポセイドンが多国籍企業国家であり秘密結社で、人類救済を目的としアポルシード計画を進めた組織だ」とかさらっと書かれてたこと。

 (いわゆるメディアミックス的な作品で、ファンサービス的に士朗さん以外の人が作った設定などを除いた)公式設定だけで言えば「アップルシード」の舞台である巨大都市「オリュンポス」を建設したのは「オリオングループ」の「都市企画班」と呼ばれる謎の組織であり、大日本技研、そしてポセイドンはそれと「並ぶ組織」であって同一ではない。アップルシード内ではポセイドンがオリュンポスにスパイ(吉野のこと)を送り込んだりもしている。つまり対立組織のはずなのだが……(アップルシードデータブックP18以降のデータによる)。また、データブックの記述によれば、ポセイドンの名称そのものがオリュンポス同様、海上に建設された巨大都市を指してもいる、となっている。

 とはいえ、この年表。どこまで今も生きている扱いなのか……。これだと、1999年にEU・米とアジア諸国の間で第4次世界大戦が起きてるんだけど(笑)。ファンとしてはこの辺りの現実と年表の“矛盾”にもっともらしい理屈をこじつける辺りもまた楽しい、ということになる。とはいえ、たぶん士朗さんももう年表作る気はないだろうなぁ……。
 サイバーパンク好きとしては、アップルシードデータブックとサイバーパンク2020の年表を見るたびに、トーキョーNOVAに年表がない理由を痛感させられるのだ(笑)。