両方20歳以上


 この間先輩と会って「ハクメイとミコチ」の話をした時、「意外だった」と意見が一致したことが一つある。
 それが「登場人物の年齢」だった。

 そもそも予備知識なしで、この二人の年齢は何歳くらいに見えるだろうか。ちなみに本編では、二人の年齢については特に語られていない。ところが、先日発売されたガイドブック「足元の歩き方」で明かされた二人の年齢は、なんとハクメイ23歳、ミコチ24歳だった。
 はっきり言って、私自身はそれより優に5歳、下手したら10歳くらい下の年齢を想像していた。もちろん、小人である二人の外見がそう思わせるというのもあるが(コロボックル物語もその傾向はあった)。
 「二人は独立して仕事もしているんだから、20歳以上なのは当然」? ──いやいや、ハクメイたちが住むマキナタでは教育機関に関する言及がほとんどなく、二人の回想にも学生時代は出てこない。むしろハクメイが「徒弟」になっていることを考えると、マキナタにおいては文明同様、社会制度も現代ほど進んでいなくてもおかしくない。そうなると、20歳よりずっと前に成人したとしても、仕事を始めたとしても不思議ではないわけで……。*1

 予想というか、邪推というか、一つ考えたのは「登場人物が酒を飲むシーンがあるので20歳以上にしたのではないか」というものだ。もちろん、これが肯定される根拠も否定される根拠もないのだが。
 逆に、想像より若くて驚いた登場人物は多くないが、センはそれにあたる。19歳という年齢が意外というより、ミコチより5歳年下というのがやはり意外だった。ハクメイよりもミコチよりも年上だと思っていた(研究者だし)。
 「年齢が物語に影響を与えるのか」と言われると難しいが、例えばミコチの姉が結婚するエピソードなどは、ミコチが16歳と考えるか24歳と考えるかで印象が変わってくるのではないだろうか。

 とはいえ、話の結論は「まぁ、異世界だしね」で終わったのであるが(笑)。

*1:なお、ガイドブックによれば、ジャダの美容学校の存在する「ハルハン」には他にも各種学校があり、センの出身地であるガダイでは技術が発展しているという記述があるが、二人がそこにいた形跡はない。