買いました


 予告通り購入。
 細かく読み込むのはこれからなんだけど、気づいた点についてつらつらと書いていく。

 第一印象は、フルカラーでグラフィカル。以前、ホビージャパンが出すD&D3rd以降のルールブックは、WOD社との契約で版型も本国版と同じ、フルカラーもWOD社の指定、なんて都市伝説めいた話を聞いたけど、こうして他社のルールブックもフルカラーでグラフィカルなデザインということは、むしろホビージャパン自体がそういう方針なのかも。
 基本的なルールは2020の時とあまり変わらないように見えた。コップがロウマンに、コーポレートがエグゼクになるなど、ロールやスキルの名称が変わっていたりはしたけれども。
 で、一番気になっていたデュアルロールは、クリオタンクに掲載されていたのとは違う、マルチロールという形で掲載されていた。こちらはアティテュードロールやステータスロールの区別は特にない。転職によって複数のロールを習得していくというものだが、転職前のロールも普通に上げられるので、単純に複数のクラスを(無制限に)取得できるものと考えていい。このゲームは、ロール専用スキルがレベルに応じて強力になるのは旧版の頃から変わっていないので、マルチクラスでこれを分散するのは有利とは思えないものの、制限が一切ないというのはちょっと……。AD&D方式、あるいはソードワールド方式というべきか、マルチの取り方次第によって、PCのイメージが取っ散らかってしまうので、私はあまり好きではない。これならデュアルロールを復活させてほしかった。

 その他、旧版の特色だったライフパス決定ルールが、経歴表を細かくロールする形式からチャートに従っていけば作れるような簡単な形式に変わっていたりするのは現代風だけど、敵は滅茶苦茶手強く作れみたいな記述があってそこは昔のサイバーパンク風、かと思ったらすべてのPCに見せ場を作れ的なことが書いてあったり、シナリオを場面に区切るルールやセッションの所要時間を逆算するノウハウが書かれていてそこは現代風、と、古いゲームを今風にリファインしようとすると多分こうなるんだろうな、というのが何となく見えるルールブックだった。シナリオもちゃんとすぐに使えるものが掲載されている。
 とはいえ、どうしてもナイトシティで遊びたいという気分でもなければ、私はN◎VAで遊ぶだろうな、とは思う(笑)。



 で、肝心のコンシューマゲーム版との関係については、良くも悪くも想像どおりだった。
 荒坂華子(ゲーム中ではカタカナだったがルールブックにはこう記載されている)や荒坂頼宣、そして旧版のルールブックにはほとんど記載がなかった町の創始者リチャード・ナイトの記述が追加されるなど、コンシューマ版との繋がりは示唆されているが、前に書いたとおりルールは旧版のものを踏襲しているので、スキルプールやライフパスなど、ルール部分は全く関連性がないものになっている。サイバーウェアなどのルールもコンシューマ版よりは旧TRPG版のそれに近い(アイテム類にもレアやレジェンダリといった分類は当然ない)。
 強いて言えば、キャラクターレコードシートのサイバーパーツを記載する欄の真ん中に、デカデカと骨格標本が描かれているのは、コンシューマ版のサイバーウェア表示を模したもの──ではないだろうな、きっと(笑)。