ブレイドオブアルカナのシナリオの話(8)


 それでは、ここまでつらつらと述べてきた設定をシナリオの形にしてみよう。シナリオタイトルは「屍肉喰らいの夜 Dead Man's Eater」である。
 一応シナリオの体裁にはするものの、文字数の関係で公式シナリオのように長いテキストは用意できない点はご容赦願いたい。また、公式シナリオを同様サンプルキャラクターを使うこともできるが、推奨スタイルを提示するので、必ずしもサンプルキャラクターと同じ設定がなくてもセッションに参加することは可能である。

「屍肉喰らいの夜 Dead Man's Eater」

導入① 雄々しき聖騎士 推奨アルカナ「アダマス」
 たまたま訪れた領主から依頼を受ける。「領内の村で無差別の殺戮が頻発しているので、犯人を捕まえてほしい」という依頼である。必ずしも生け捕りにする必要はないことも伝えること。また、領主には妻と娘がいるが、娘の手の甲には聖痕が見える。依頼を受けるやいなや、衛兵が新たな事件が起きたと飛び込んでくる。


導入② 正義の巡回士 推奨アルカナ「レクス」
 賞金稼ぎギルドのリトルローズ・シャロンから賞金首を紹介される。もしGMがこのシナリオをキャンペーンとして遊ぶつもりがあるなら、賞金首は錬金術師である。単発シナリオとして遊ぶなら、賞金首は今回のシナリオの殺戮者「屍肉喰らい」である。


導入③ 不死の魔法使い 推奨アルカナ「アクシス
 ラバリアの町に住む旧友のアクシス、クラウスに呼ばれる。彼はこの街で起こっている虐殺事件の真相を探るため、PC3の助けを借りようとしている。


導入④ 剛腕の魔剣士 推奨アルカナ「なし」
 聖グラディウシア騎士団のマレーネジーベルから、ババリアの町で起きている虐殺事件を解決するように依頼が来る。


導入⑤ 高潔なる導き手 推奨アルカナ「ステラ」
 PC①を導く導き手として、旅に同行している。PC①と共に旅をしているシーンを導入シーンとすること。


 以下は展開ステージで順番に起こるイベントである。


シーン1
 導入①の続き。PC1が現場を訪れる。村人たちが男女を問わず殺されており、死体をハゲタカが啄んでいる。人々が殺されてからまだそれほど時間が経っていないようで、咽るような血の匂いが漂う。殺戮者の目を逃れたのか、かすかに息のある村人が1人いるが、PC達に「子供が……」と言い残して息絶える。
 これは殺戮者の悪徳である。同行しているPC5を除く、PC2から4の誰かとこのシーンで出会い、情報を交換しても良い。また、知覚判定など適切な判定に成功すると、転がる死体には子供の姿だけがないことに気がつく。


シーン2
 PC3がクラウスに調査の途中経過を報告するため家を訪れると、肩に鳥(ハゲタカ)を乗せ、深くフードを被った小柄な人影とすれ違う。瞬間、強烈な血の匂いがする。自宅へ入るとクラウスはすでに事切れている。
 これは悪徳である。しかし彼は殺される前に、殺戮者を作り出した錬金術師の情報の手がかりをメモにして残している。


シーン3
 クラウスのメモ、あるいは領主に錬金術師の情報を確認することで、錬金術師の研究所があった場所を探すことができる。
 もし、このシナリオを単発シナリオとして遊ぶなら、その場所には、とうに亡くなった錬金術師の遺体がある。傍には傅くようにハゲタカが止まっている。研究のメモや日記が残されているが、自分を追放した領主への恨み言や、出来損ないの被造物への罵詈雑言が延々と書き連ねられている(ただし殺戮者自身は文字が読めないのでわかっていない)。
 キャンペーンとして遊ぶのであれば、ここに錬金術師の遺体はない。ただしメモや日記は残されている。
 知覚判定などの適切な判定に成功すると、地下室への階段が隠されていることに気がつく。また別の判定でメモから手掛かりを探すと、錬金術師は子供を浚い、それを材料にクレアータを生み出し、傭兵としてブレダのガイリング王に売り込むのが目的であったことがわかる。そして、クレアータの作成には、最終段階で刻まれし者が材料として必要であると書かれている。


シーン4
 地下室に入ると、衰弱した子供、亡くなっている子供が何人も囚われている。このシナリオの殺戮者は錬金術師の被造物であり、創造主が命じたとおり子供達を浚い、ここへと連れてきている。しかしクレアータである彼には、既にその研究を受け継ぐ者はここにいないことが認識できていない。また、実験材料として連れてきた子供たちを世話するという概念もないため、このような状況になっている。
 これは殺戮者の悪徳である。生き残った子供に話を聞けば、殺戮者が少年の姿をしていること、仕上げとして最後の材料を探しにどこかへ出かけたことが聞き出せる。


シーン5
 PC達が順当に手掛かりを集めていれば「殺戮者が、刻まれし者である領主の娘を生贄に捧げようとするのではないか」と思い至るだろう。もし、それに思い至らないようであれば、GMからそれとなく「領主に途中報告をした方が良いのではないか」と示唆してもいい。


 以下は任意のシーンである。


シーン6
 領主に錬金術師に心当たりがないかと聞くか、あるいは城下で事情通判定に成功すると、「かつて城下に錬金術師が住んでいたが、非人道的な実験を行おうとしたために追放された」という情報が手に入る。またその錬金術師が住んでいた場所も判明する。


シーン7
 PC2がリトルローズ・シャロンに領地の様子と錬金術師の話を改めて聞くか、事情通判定に成功すると、錬金術師の作品であり忠実な従僕であるクレアータが傍らにいたことがわかる。また、錬金術師の賞金しか確認していなかった場合、ここでクレアータにも賞金がかかっていることを教えてくれる。


 対決ステージ以降は明日以降に。