ファミマガ、ファミ通、マル勝ファミコン、ファミコン必勝本で4大誌っていうのか。その呼称は知らなかった。この中で私が一番読む頻度が多かったのはマル勝ファミコンだな。知っている人は知っているかもしれないけど、この4誌の中では唯一、マル勝はTRPGの連載記事を持っていた。故大貫氏の手がける「ダブルムーン伝説」だ。
大貫氏を中心とするORGは、グループSNEと被らないようにTRPG企画を進めていたように、傍からは見えていた。パソコン雑誌では有名だったロードス島戦記を擁するコンプティークとは別に、ベーシックマガジンでWARPSの連載を持ち、マル勝でダブルムーンを手掛けていた。
ORGはかつては新和株式会社によるCD&Dの公式雑誌に携わっていたものの、少なくとも大貫氏が亡くなる2年前、1991年の前半にはオフィシャルD&Dマガジンは別冊のプレイングガイドとともに休刊となっており、活動の軸足は専門誌ではなく、マル勝のような「他メディアの雑誌の連載記事の一つとしてTRPGの記事を掲載する」方がメインとなっていたようだ。ダブルムーン伝説はそんな活動の一環だったと思われる。
ただし、ダブルムーンもWARPSも、後日まとまった形で出版されたのはルールブックのみで、連載されていたリプレイは単行本として出版はされなかった。その点でも、リプレイを展開の中心に据えていたSNEとは対照的な方針だったわけだが、それゆえに、後からその連載内容を追うことは至難だった。TRPG専門誌と違い、中古ショップでバックナンバーを探すことも難しく、結果的に、どんな雰囲気のどんなリプレイだったのかは、おぼろげにしか記憶に残っていない。