
アリアンロッド・リプレイ・レジェンド(3) 貧乏姉妹の驚愕 (富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: 丹藤武敏,F.E.A.R.,菊池たけし,ヤトアキラ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2010/05/20
- メディア: 文庫
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昨日のエントリで書ききれなかったことについて。
私がこのリプレイで一番感心したのは、後書きに書かれていた「ラウラが訳ありだというのは、すぐにわかるようにした」という部分。
ラウラは初登場のシーンからお茶を運ぶ時ガタガタ震えていたりして露骨に怪しいんだけど、そのお陰でプレイヤーとしてはラウラへの対処法と、その後の展開をどのように持っていくかを落ちついて考える時間がある。
これが「コロローナ商会の周りで妨害行為が続発するが犯人がまるでわからない(しかも真犯人は身内)」という展開にしてしまうと、プレイヤーが疑心暗鬼に陥り、どうでもいいところでプレイヤーが考え込んだり、関係ないNPCを疑い出したりしてきりがなくなる。ましてそのヒントをアンフェアな手段で隠すなどは論外である(前に挙げた「ペイント問題」などがそれにあたる)。
「謎解き」はこのシナリオの主眼ではない。「犯人探し」もメインテーマではない。それなら最初から犯人を明かしてしまった方がいい(次回予告やハンドアウトにはっきり書いてしまうという方法もあると思う)。丹籐さんは特にその傾向が強いGMだ。もちろんFEARのGMの中でも謎解きをメインに持ってくるGMはいるが、謎を出しすぎないように気を使っているように見える。
素人が絶対に真似してはいけないのが、菊地たけしさんの手法。序盤でいかにも本編に関係ないどうでもいい描写のように見せて実は重要NPCとか、プレイヤーが口走った妄言を拾ってラスボスにするとか、これが許されるのは菊地さんの力量があるからであって、余人には絶対同じことはできない。
あと、今回のリプレイで一箇所だけ納得いかなかった、というか自分がGMなら却下するだろうと思ったのは「(反撃技・ソウルバスターのダメージを抑えるための)敵への《プロテクション》の使用」。これを許すとまた重ねがけがどうしたとか行動の順番がどうとかバグるような気がするから。