偶然だが、ウィザードリィタイプのRPGが二つ並ぶことになってしまった。
今のゲームのメインストリームではないものの、必ずしも開発費を湯水のように費やしたり、新しいシステムや最新のグラフィックを山ほど盛り込むばかりがゲームではないことの証左たるタイトルだろう。
世界樹3は、今読み返してみたら今年の正月の日記でも期待のタイトルに挙げていた。下馬評も高く、そして期待に応えたタイトルではないだろうか。それも特典サントラCDのパッケージ漫画にあったとおり「1.5などと揶揄された2」への反省を真摯に受け止めた姿勢が3の成功を生んだのだろう。個人的には本家ウィザードリィのように「システムはほぼ固定でシナリオだけが入れ替わる」続編でもいいのではないかと思っているのだが……。
次回作の4もきっと出るものと期待している。できれば「ハイ・ラガード組とアーモロード組の夢の競演」を是非見てみたい。
そして、もう一つウィザードリィ型のゲーム「エルミナージュ1、2」。こちらは、私がGB版で一番プレイした「ウィザードリィ外伝3」の系譜を引く正当なWIZの後継者の一作品と言っていいだろう。
レベル上限が設定されていること、スキルが自由に取れるところからシミュレーションゲームのような印象を受ける世界樹3に比べると、エルミナージュの方がプリミティブなRPGに感じられる。世界樹3はスキルの組み合わせによって敵をハメるパターンに持ち込めれば、かなり低レベルでもボスを倒せたりするが、エルミナージュだと「勝てない? じゃあレベル上げて出直してこいや」となる(ごく一部の例外を除いて)。
1、2を連続してプレイしているせいもあるが、オフラインゲームでは今年一番稼働時間が長く、熱中して遊んだゲームだ。「安心して遊べる」という言葉が一番しっくりくるゲームである。軽視されがちな要素であり、宣伝もしにくい要素かもしれないが、大事なことだ。