禁断の地アビセア


ファイナルファンタジーXI ヴァナ・ディール コレクション2


 オンラインゲームについては、意外といえば意外な結果になった。
 今年の年頭の段階では新作FF14に期待していたのだが、そちらは惨憺たる状況になっている。そして皮肉にも、14の発売で時代遅れになるはずだったFF11の方が、今はアツい。
 予想外だったのは、サービス開始から7年経ったこの時点で、これまでずっと培われてきたパーティ戦の常識を覆し、経験値を稼ぐ、装備を集めるという主要コンテンツでバランスを変える新システムを導入した点である。
 私はこれを高く評価している。賛否両論あることは承知しているが、変更前のシステムでは経験値を稼ぐための効率を求めるとジョブが非常に限られ、バランスも非常にタイトで余裕が許されなかった(「○○はレベル上げに来るな」とか真顔で責められるレベル)。しかし今のシステムはバラエティに富んだ構成ができ、ジョブ縛りも少ない。また単位時間当たりで稼げる経験値が高いため血眼になって経験値を稼ぐことだけに時間を費やさなくてもいいようになっている。もちろんそれそのものを「ゲームの寿命を短くしている」と批判する人もいるが、私の身近にはアビセアをきっかけに戻った人はいるが、きっかけでやめた人はいない。中にはレベルキャップ開放が発表された折「レベル挙げに何時間かかるか見当がつかない」といって引退寸前になり、アビセアの仕様を知って安心して戻ってきた人もいる。
 何から何まですべて緩和すればいいとは思わないが、ペルル、オロール、ティールといった高レベル用装備の入手難易度の低さなど、間口を広くしよう、これまでのジョブ格差を何らかの形で解消しようという姿勢が見えて好感が持てた。


 14のハードルの高さもあいまって、今はむしろ11に長く続いてほしいという気分である。