この道はいつか来た道


 先日、久しぶりにDQXで旅芸人用の装備を買い揃え、懐かしい気分に浸った。

 実は、私が初めてアストルティアの地に降り立ったとき、最初の職業は旅芸人だった。DQ9で潰しの利く職業だったというのが一つと、私がDQXを始めたとき、既にサービス開始からは時間が経過しており、恐らく野良でパーティを組むのは大変だろうと想定し、ソロである程度レベルを上げるには回復や攻撃が一通りできる職業でないと辛いのではないか、と考えてのことだ。幸い、旧ゲームの縁からチームにはすぐ誘ってもらえたので、初期メンバーのなかには、私といえば旅芸人のイメージが強い人もいる。
 しかし、間もなく私のメイン職業は切り替わった。僧侶→戦士→魔法使いである。
 まず、DQXのサポート仲間システムを知り、自分で回復から攻撃から全てをこなす必要はないのだと学んだ。すると、自分がアタッカーをやってサポート仲間に回復してもらうか、自分が回復役をやってサポート仲間に攻撃してもらうかどちらかになるのだが、ゲームスタート時は自分自身の装備が貧弱であること、サポート仲間はMP回復アイテムを使用しないことを考えると、僧侶の方がいいように思えた。
 次に、余裕が出てきた頃、道行く他のPCを眺めていて「ああ、全身鎧はカッコいいな」と戦士に転向。*1
 さらに、ストーリークエストを進めるために必然だったことや酒場で誘われやすかったことから魔法使いを。
 その後、上記の職業が全てカンストしたため旅芸人に戻ってきたのである。

 そして、ふと思い出した。かつてヴァナディールにいた頃も、似たような道を辿ったな、と。
 最初のジョブは赤魔導師。理由は「攻撃も回復も一人でできるように」だった(あと、スタート時の知り合いで空いていたジョブがそれだけだった)。それから、道行くPCの王国鎖帷子装備に憧れてナイトに転向し、レベル上げのキツさに音を上げて、吟遊詩人に転向したのである。


 なお、DQXで支援系職業を選ばなかったのには理由がある。特定の職業の強い弱いは抜きにして、DQXではFF11に比べて支援系職業の有用性が相対的に低いのだ。これは簡単に計算から導き出せる。
 FF11のパーティメンバーの数は6人。一人が支援系ジョブ(支援以外何もできないと仮定する)になるとすると、他のメンバーの能力をどれだけ底上げできれば収支が合うか。6/(6-1)=1.2。つまりメンバー一人あたりの能力を2割増以上にできれば収支が合う。
 しかし、DQXのパーティの仲間の数は4人である。一人が支援系職業になった時、収支を合わせるには4/(4-1)=1.333。つまりメンバー一人辺りの能力を3割増にしてもまだ足りない。
 もちろん、これはかなり雑駁な計算であり、支援系職業がオンリーワンかつ必須の能力を持っていたりすれば話は変わってくるが。

 
 意図的に同じような道を歩んだつもりはまったくないが、人の思考は同じようなパターンを繰り返すということなのかもしれない。

*1:当時は装備できないアイテムはドレスアップできなかった。今は装備できなくてもドレスアップ可能なので見た目だけのためであれば対象となる職業のレベルを上げる必要はない。