3DダンジョンRPGへの憧憬・まとめ

 今までご紹介してきたいくつかのゲームの他にも、私が遊んできた3DダンジョンRPGはいくつかある。友達の家でプレイしまくったディープダンジョンとかダンジョンマスター、あるいは女神転生とか。変わり種だとドラゴンナイトやカオスエンジェルズなんてのまで。それらもまたいずれ昔話とともにご紹介することがあるかもしれないが、この場はひとまず置いておこう。
 
 さて、今まで何回かに分けてつらつらと書き連ねてきたそもそもの発端は、7/27にご紹介した開発者たちのインタビューだった。


ダンジョンRPGを盛り上げるためにどのような変革が必要なのか


 最初に書いたとおり、このインタビューの感想を述べておく。
 このインタビュー記事のタイトルは「どのような変革が必要か」で、結論としては「難易度の調整」「イラストレーターの起用」「ネットワーク機能の搭載」などが結論部分では述べられており、あと本文中ではマッピング機能の充実などが触れられている。

 まず、私はこのタイプの3DダンジョンRPGの場合、難易度の調整などよりも重要な点があると考えている。
 それは「プレイした時の快適性」だ。

 私がととものをあまりプレイせず、エルミナージュをプレイすることが多いのは、プレイ時の微妙なストレスの多寡によるところが大きい。3DダンジョンRPGは同じ作業を何度も何度も飽きるほど反復するため、わずかな読み込み時間や戦闘時のエフェクトの長さなどが非常に大きなストレスとなる。例え戦闘時の読み込みが1秒でも、10000回繰り返せば3時間弱だ(ととものの読み込みが1秒あるという意味ではないので念のため)。
 ととものはDL版でプレイしたのだが、戦闘時に読み込みを意識したり壁に衝突した時呻き声とともに跳ね返るようなリアクションがあって一瞬操作できなかったり、アイテム整理のユーザーインタフェースなどもあまり洗練されていない印象だった。その点DS版のエルミナージュは街の出入りに一瞬ラグを感じる程度で、しかも1から2になってユーザーインターフェースも含めてさらに改良されていた点は好感が持てる(どこが改良されたかについては前にエントリで紹介したことがある)。
 アトラスの世界樹の迷宮シリーズもユーザーインターフェースなどは実に考えられて作られており、1から3になるにつれて横移動の追加されたり、武器屋でステータスが見れるようになるなど細かいところが改良されている。

 そして、難易度について。
 難易度を下げるというのにはいろいろな方法があるだろうけれど、ただ単に戦闘の難易度を下げたり獲得経験値を上げるだけでは、作業になったり達成感がなくなってしまう。
 ではどうするか? ことこのタイプのゲームの場合、大事なのは「ズルができるかどうか」だと思う。
 ストーリーを追っていくタイプのJRPGなら同じレベル上げを複数回繰り返すことはないが、WIZタイプのRPGは転職したりメンバーを入れ替えるたびに低レベルからのレベル上げをやり直すことになる。その時に前と同じ作業をただ反復するだけになると、それは苦痛になる。二回目以降にどれだけ手を抜けるか、古くはマーフィーズゴーストやアビの存在、グレーターデーモンやアルティメットランナーの無限増殖、世界樹2のボス連戦や3の聞きかじり。1回目で「あれ? もしかしたらこうすると効率がいい=ズルができるんじゃ?」とプレイヤーが気づくことで、2回目はショートカットができる。プレイヤーが解法を見つけ出すことで、プレイヤー自身にメリットがあるという図式が必要なのではないだろうか(実は、私はととものを途中で諦めたのはこれが見当たらなかったからでもある……私が見つけられなかっただけか?)。
 ベニー松山氏の「古代皇帝の呪い」のエントリで紹介したように、WIZタイプのゲームは構造が単純なだけにバランス調整やわずかな操作感覚の齟齬が大きなストレスになりかねない。インタビュー内でそこに言及している人が実質一人もいないように見えたのは、ちょっと気になった(記事にする段階でカットされただけかもしれないが……地味な内容だから)。