TRPGの電子書籍化について


http://togetter.com/li/193401


 前に別のところで「TRPGの文庫版ルールブックについて」という話を書いたことがある。基本的にはその頃と考え方は変わっていない。概略をいうと「文庫版ルールブックは見づらいという人がいるけど、そもそも重くて会場まで持っていけなかったら見づらいも何もない」という話。特に、行ってみないと何のゲームをやるかわからないので複数のルールブックを持ち歩かないといけないコンベンション(オンリーコンを除く)でこれは顕著だ。
 その視点からいえば、携帯端末さえ持ち歩けばゴロゴロ旅行用のカートを引きずって会場まで行ったりする必要のない電子書籍万々歳だ。
 一緒にセッションしたことある人は知ってると思うけれど、私が自作シナリオをマスタリングする時は、携帯端末に入力し、プレイ中はそれを参照している。いちいちプリントアウトするのがめんどくさいので、紙ベースでは見ない(逆にいうと、だからこそ最低でもセッション時間内はずっと、つまり4〜5時間電源が持つ端末以外は選択肢に入らない)。また、携帯端末を使うようになってからマスタースクリーンを使用しなくなった。クラムシェルタイプの端末なのでシナリオの内容がプレイヤーに見えることはないし、オープンダイスだからダイス目も隠す必要がないからだ(だから今流行のタブレット型は逆に困る。セッション中にシナリオに注意書きを入れようとすると、画面が平行なせいでプレイヤーから丸見えになるのだ)。
 というわけで元々携帯端末を使っているので、その端末でルールブックも一緒に参照できるのなら願ったりだ。私は電子書籍は紙ベースのそれより安くあるべきとは特に考えていないじゃら、紙版の定価と同額であってもおそらく買う(というより、実は前に阿修羅ファンタジーで電子データ添付版が発売された時、既に紙版を持っていたにも関わらず喜び勇んで二冊目を買った過去がある。……使うことはなかったが)。さらにエラッタや追加ルールなども次々にオンラインでダウンロードできるようになってくれればさらにありがたい。優れたビューアさえあれば、普通の書籍や漫画などよりもTRPGのルールブックの方が電子書籍に向いているだろう、と私は思う。


 と、ここまでは利用者側の理屈だ。製作者側から見れば、大手出版社の電子書籍ですらまだ未知数な部分が多く暗中模索の状態だというのに、零細企業の多いTRPG業界が電子書籍に乗り出すには、認証システムや違法コピーの排除など、まだまだハードルが高いのではないだろうか。