シビアならWIZなのか?

名作「Wizardry」を独自解釈でMMORPGに落とし込んだ「Wizardry Online」レビュー


 うーん、悪いけどこれは私が持っているWIZのイメージとは違うなあ……。
 ゲームバランスが厳しいとかアクション要素があるのはWIZじゃないとかそういうんじゃなくて、どこが一番違和感を覚えるかっていうと、PKの部分。これで善悪の戒律を表現してるのかもしれないけど、私の中のWIZは「隣り合わせの灰と青春」とか「風よ竜に届いているか」のイメージが強くて、PKバンバンするのが悪の戒律にはどうしても思えない。


風よ。龍に届いているか〈上〉

風よ。龍に届いているか〈上〉


 実はこの二編の小説でもPKシーンはあるんだけど、両方とも相応の理由を持つ作中では不可避の場面だし「相手のアイテム目当てで私利私欲のために相手を殺す」とか「死んだ冒険者の遺骸から装備を剥ぐ」というシーンはない。元祖WIZでもパーティバトルはできないし、善と悪は「友好的なモンスターに対してどう対応するか」という差異だけだ。

 ウィザードリィの世界は過酷であるがゆえに善であろうが悪であろうがパーティ内の結束は固く、人間同士で争っている余裕などない*1、っていうのが私が抱いているWIZのイメージで、いつ同じ冒険者に寝首を掻かれるかわからないシビアさ、っていうのは旧来のWIZのそれとはちょっと違うんじゃないかな、っていうのが正直な印象だ。そんなのお前の勝手な想像じゃないか、と言われればそこまでなんだけどね。
 

*1:正確には、そんな奴はすぐに淘汰されてしまう