追い越したもの、間に合わなかったもの

AR情報をフロントガラスに映し出す世界初のカーナビ登場


 このニュースを見て最初に思い出したのは、劇場版機動警察パトレイバー2のベイブリッジ爆破シーンで南雲隊長が乗っている車。そこではカーナビ情報をフロントガラスにオーバーラップさせるテクノロジーが描写されていた。
 だけど、よく調べてみたらこれはHUDに情報を投影するタイプだから正確にはちょっと違うようだ。実際、フロントガラスを液晶パネルにしたら両さんか何かであったみたいに「運転中に液晶が壊れたら目の前が真っ白/真っ黒」と言われても困る。HUDとかフロントガラスに投影するタイプなら壊れても実際の風景は肉眼で見れるから問題なくて済む。
 しかし、最初この記事を読んだ時には未来的だと思ったけど、パトレイバーの世界ではこれは1999年にもう実用化されてる技術だから、現実は10年以上遅れていることになる。もちろんフィクションの話だし、パトレイバーの世界はレイバー技術が発展してるからモニターにAR情報を表示させる技術革新が現実世界より速く進んだのだ……と考えれば辻褄は合うのだけれど。
 ちなみに、逆にパトレイバーの世界には携帯電話がない。冒頭に挙げたシーンでも、南雲隊長は「車載電話」で二課と連絡を取り合う描写がある。携帯電話については、フィクションの世界の住人にとってもまさかと思うほどの進歩の早さだったということだろう。


 ところで冒頭の記事だが、ARはオーギュメンテッドリアリティの略だから、仮想現実とルビを振るのは間違いで、拡張現実とルビを振るのが正しいはずだ。運転中に「仮想現実」情報をフロントガラスに表示されても困るからね(笑)。