これが拡張現実

 次に、今更感はあるが、かの有名なポケモンGOだ。


www.pokemongo.jp


 なるほど、あの頃みんなが熱中していたポケモンGOとはこういうものだったのかと、ようやくちょっとだけ理解できた。ドラクエウォークと違い、ポケストップポケモンジムには現実の施設がリンクしており、それぞれ施設の公式サイトなどへも飛べるようになっている分、現実世界とポケモンの世界がオーバーラップしている感が半端ない(逆にいうと、ドラクエウォークは明らかにドラクエと関係ない普通の施設が目的地設定されて洞窟や村になったりするため、結構違和感がある)。
 単に距離を歩くだけではなく、そこにオブジェクトがあることにちゃんと理由付けがあるため、「わざわざその場所に行く」ことに意味を見出せる。ボールを投げてポケモンを捕まえるのも、都度ARカメラが起動するようになっているので、没入感が半端ない。



 これが新宿の情景である。ド派手だ。これだけ色々なオブジェクトが密集していれば、自宅だけじゃなくちょっと出かけた時にも起動してみようという気分になるだろう。あれだけの人たちがハマった理由がよくわかる。



 夢中になって遊んでいて、ふと我に返り、ポケモンGOの欠点に気が付いた。このゲーム、確かに(物理的に)危ない。


 位置情報を含む拡張現実ゲームで一番危ないのは、歩きながら遊んでいて危険に晒されることだとはわかっていたので、歩きながら起動はしないように心掛けていた。が、このゲーム、ポケステがそれこそあちこちにあるので、つい歩きながら起動したくなる誘惑に駆られる。加えて、街中で普通に登場する野良ポケモンポケモンボールを投げつけるというのも、道端でスマホのカメラを構えて周りをグルグル見回すことになるので、割と危険な操作だ。素早く逃げるポケモンならなおさらだ。
 そういう意味では、後発のドラクエウォークが「出かけた先の、そこにしか存在しないもの」を排除したゲームデザインになっていたり、ほとんどがオートモードで進むようになっているのも、ポケモンGOを踏まえて安全性に配慮したせいなのかもしれない。「拡張現実ゲーム」という視点ではポケモンGOの方が優れていると私は思うが、没入感があればあるほど現実世界から見ると危険だというのも皮肉な話ではある。