長かった

　実は二ヶ月ほど前から手持ちのＭＤをＰＣに転送する作業を進めていて、ようやく今日その作業が終わった。長かった……。手持ちのビデオテープを全部ＤＶＤに転送した時にも長いと思ったが、今回の作業もなかなか時間がかかった。ＤＶＤへの転送時と違ったのは、もう再生する機材がほとんど残っていないことだ。ＤＶＤの時は反対に、まだ録画可能なＤＶＤデッキが１０万円近くもした頃だったので、メディアの値段に悩まされたものだったが……。

　今回は再生側の機器が限られるというか、もっとはっきり言えば、ＭＤ音源をデジタルでＷＡＶＥ形式に変換できる機械はソニー製のＭＺ−ＲＨ１という機械しかない。ＭＤが主流でなくなる気配を感じ取った頃に買った機械だったのだが、変換作業が面倒でついつい先延ばしにしてしまっていたのだ。
　当然、もうこの機械は店頭にはない。とはいえポータブル機器として持ち歩くわけでもなく、１枚のＭＤにつき１回しか読み込まないのだからそうそう壊れたりすることはあるまい……と思っていたら、１００枚ほど読み込んだところでいきなり壊れ、メディアが取り出せなくなってしまった。慌てて修理を依頼したのだが、その時ちょうどメーカーの休みにぶつかっていたため、完了はかなり先になるとのことだった。
　修理依頼はとりあえずしておくとして、時間がかかるようだったらもう１台中古で買ってもいいかなどと思ってネットで値段を調べてみたら、なんと中古価格が新品で買った時の倍もする。新品価格は１０万近い。転送機能を持っているのが１機種しかないので希少価値が出たということと、買う人のほとんどはデータを取り込んだら中古として市場に流すつもりのため、価格が多少高くても売った時に取り戻せるから問題ないと考えているようだ（私は本体を売るつもりはないのであまり関係ないが）。
　幸い修理は予想より早く終わった。原因はメディアが壊れていたためで、外見上は分からないのだがケース部分がわずかに歪んでおり、この歪みのせいで本体にエラーが起き、イジェクトもできなくなったというのがその症状だったようだ。

SONY Hi-MD ウォークマン MZ-RH1 S

　　
　予想外のトラブルに見舞われたものの、転送そのものは順調だった。ＭＤ５９９枚分、１６９５６曲。全部で５１７ＧＢである。
　約６００枚のＭＤのうち、完全に転送できなかったものは２２枚。およそ３％の割合と考えるとエラー率としては高いように見えるが、実際転送エラーが出たのは１枚のＭＤごとに数曲で、１７０００曲のうち５０曲もない。それも、いわゆる通常モードで録音したＭＤでエラーになったものはたった２枚だけだった（うち１枚は先ほどの故障の原因になった歪んだＭＤ）。毎日持ち歩き、あちこちにぶつけたり部屋の中に放り出したりしていたメディアを読み込んでいると考えれば、むしろエラー率の低さに驚いているくらいだ。
　ただ、ＭＤＬＰモードと呼ばれる高圧縮モードで取り込んだ曲についてはエラー率が高い。ＭＤを節約できるので使っていたのだが、まさかこんな形で代償を払うことになるとは考えもしなかった。

　一つだけ残念だったのは、古いＭＤ、それも昔テープからＭＤに転送したようなデータがあったせいか、ネット経由の曲名やアーティストの取り込みがほとんどできなかったことだ（そもそも登録すらされていないものが多い）。ソニーの楽曲管理ソフト、ソニックステージ上では不都合はあまりないのだが、これを今使っているiPodTouchに転送しようとするとファイル名しか識別するものがなく、全部不明ファイルという同じくくりにされるので管理しづらい。そもそもiTunesもソニックステージも、相互のデータ互換は非常に融通の利かないシステムになってしまっている。*1
　それにしても、これでようやくＭＤがなくなっても大丈夫な状態になった。個人的には、ＭＤにさよならするのは非常に残念なのだが……市場から消えてしまったのでは致し方ない。寂しいけれど、時の流れには逆らいようもない。

　ちなみに、転送したデータのうち一番古いなと思ったのはこれだ（画像はこちらからお借りしました）。

　もう記憶が定かではないが、恐らくＭＳＸ版のハイドライド３についてきたのではないかと思われる。
　……と思ったら、この曲アップしている人がいたよ！

　しかもコメント見るとテープをまだ持っている人が何人も……。ネットは広大だわ……。

*1:ＭＤからの転送データをiPodTouchに放り込んだら残りの容量がいきなりほぼゼロになってしまい、そんなにたくさん曲を入れていないのに何故！　と思ったらなんと、全部無圧縮の変換なしで取り込まれていたことがあった。ＣＤからのデータも同じＷＡＶＥファイルのはずなのにどうしてこうなるんだか……。原因を究明するのに１時間以上かかってしまった。