ゆっくり腰を落ちつけたい

モダンとクラシックを行ったり来たり

新しい環境用のIntenet Explorerは、フルスクリーン表示のみをサポート、デスクトップ版でお馴染みのお気に入りがない。ないというか、あることはあるのだ。ただ、任意のページをお気に入りに登録することはできるのだが、その登録したお気に入りをあとで参照することができないのだ。どうしてもという場合には、そのページをスタートスクリーンにピン留めするしかない。


 ……え?

たとえば、JPEG画像を開けるアプリは、標準では新しい環境のPhotoが関連付けられている。ところが、Photoは、従来のWindows Photoビューアーのように1つのファイルを開いたあと、続けて次のファイル、その次のファイルというように連続してフォルダ内の写真を見ていくことができない。また、メモリカードUSBメモリのような、リムーバブルディスクの内容も参照できない。


 え??

Windows 8は、ホテルでいえば、日本旅館としての本館の営業を継続しながら、新築したホテル風の新館で暫定営業を始めたものの、調度品やアメニティ、各種の施設などが完全に揃いきっていないため、宿泊客は旧館と新館を行ったり来たりしなければならない状態だ。新館が完全な状態で稼働するようになれば、もう旧館には行かなくてもすむようになるのだろうが、少なくとも現時点でそれは無理だ。


 いやその、旅館に泊まりに来たんであって、ホテルに行きたいならわざわざここじゃなくて他のところ行くよ、っていう客はどうすればいいんでしょうか? 行ったり来たりも何も、別に新館に行きたいわけじゃなくて旧館でゆったりと過ごしたいと思ってるだけなのですが……。

忌憚のない意見はこちら


「ゲーム環境」としてのWindows 8完全理解(6)Windowsストアアプリ版ゲームと「Xbox SmartGlass」

 以上,6回にわたって,Windows 8とはどんなOSなのか,ゲーム用途を前提に語ってきた。このOSは買いなのか,Windows 7以前から移行すべき価値はあるのかという問いに対する答えは,ここまで付き合ってくれた読者なら,もう出ているのではないかと思う。要するに,「現在,タッチ非対応のデスクトップPCやノートPCを持っていて,それに不満がないなら,実績解除の特典狙いでもない限り,時間やリスクをかけてまで乗り換える価値はない」のである。

 2013年1月31日までの期間限定で優待価格が設定されており,Windows XP以降のシステムが存在するストレージに対してクリーンインストールできるアップグレード版を,ボックスで5000円台,ダウンロードなら3300円(税込)で入手でき,さらに2012年6月2日以降にPCを購入した人なら1200円(税込)で購入できるというのは,間違いなく魅力的だ。なので,「遅かれ早かれ導入はする」という人には早めの購入を勧めておくが,検証から導かれる「ゲーマーが導入すべきタイミング」は,少なくとも「いま」ではない。

 というか,Windows 8というのはやはり,徹頭徹尾,タッチ操作が前提のOSなのである。マウスでの操作を選択する限り,スタートスクリーンとタイルから得られるメリットは何もないと述べてよく,一方,大きなタイルとタイルの間でカーソルと移動させたり,何かあるたびにいちいちマウスカーソルを画面の四隅へ持って行かねばならないインタフェースは,正直に述べて苦痛だ。ならキーボードショートカットを使えばいいのではという意見はもっともだが,コアゲーマーであるほど[Windows]キーは無効化していると思われ,いまさら[Windows]キーと組み合わせたショートカットを憶えましょうというのもおかしな話である。

 第1回のムービーで示したとおり,タッチ操作する限り,スタートスクリーンの操作性は実に快適である。Windows 8は,そういうPC――それがゲームPCである可能性は低い気がするが――を導入するときに初めて,積極的に選ぶべきOSということになるのではなかろうか。


 私はとりあえずWindows7でいいや……。