他人の不幸は願いたくないが

大阪府警,スクウェア・エニックスの編集・出版部門と漫画作者の計16人を著作権法違反容疑で書類送検


 作者は気の毒だと思うけど、スクエニの出版部は一回痛い目に遭った方がいい。お家騒動まで起こされていながら、たまたまヒット作が出たからって姿勢を変えることなくつき突き進んでしまった結果だろう、これは。
 私が気になったのは書類送検が16人にも及んでいること。これって一般的な著作権法違反のケースでもこうなのか? 普通だったら作者と担当、その上司、その上のラインで10人も行かないんじゃないかと思うけど。もし元の会社に許諾を得ないっていう行為が社内会議とかで決定した事項だったのなら最悪だ。まさかそんな非常識なことはないと思うけど、彼らの上司のツイッターの内容(ゲーム部門に罵詈雑言浴びせてたヤツね)を見る限り、売れりゃ後のことはどうでもいい、周りからどう思われても構わないっていう姿勢が垣間見えて──ねぇ。まぁ、事実関係はこれから裁判で明らかになっていくのだろうが。


 出版業界は自粛が大好きなんで、これをきっかけに二次創作とかパロディ表現とかが必要以上に萎縮する方向に向かうのは、本当は望ましいことじゃない。しかし、本来二次創作で他者版権物の塊である「水瀬陽夢と本当はこわいクトゥルフ神話」みたいな作品が細部をちょこっと変えたくらいで商業ベースで出版されてしまうような世の中で、許諾表記を偽造までしたスクエニが無罪放免で高笑いってのもなんか間違ってるし、悩ましいな……。