PlayStationMobileとは何だったのか

PlayStation Mobileとは何だったのか。スマートデバイスとインディーズ開発者取り込みを狙ったSCEの敗因を西田宗千佳氏が分析

 PSMはいびつで,不思議なプラットフォームだった。プロジェクトとしては明確に失敗といえる。PSMに賭けたデベロッパや,PSM向けゲームを買ったゲーマーからすれば迷惑な話だ。だが,スマートデバイスやインディーズゲームのビジネスが変化していく中で,SCEがPSMから学んだものは小さくない。PS4以降のSCEの体制には,そうした教訓が生かされているのではないだろうか。


 私自身としてはXperiaPlayの後継機・上級機が出なかった/VitaがAndroidOSを採用しなかった時点で「あ、ソニーは本気じゃなかったんだな」という印象だった。
 Android向けのゲームだけなら、タッチパネル向けでコントローラ操作に向かないゲームも多いかもしれない。しかしPS4のリモートプレイを売りにするんだったら、現行のSonyTabletよりも筐体にあらかじめコントローラが付いているXperiaPlayシリーズの進化系の方が、ゲームユーザーには明らかに魅力的だったはずだ。それが結局他の会社と同じ「ただの板」ばかりのラインナップになってしまっている。
 なんか最近のソニーはあっちに半端に手を出しては手を引き、こっちに半端に手を出しては手を引くのを繰り返してるように見える。メディアクロスバーもいつの間にか消えてるし、結果的にソニーのメカニック全体に統一感が感じられない、というのが忌憚のない正直な感想だ。