実際やってみたんだけど……

[COMPUTEX]MSIの「背負えるPC」は意外なほど完成度が高かった。視線追跡デバイスによるゲームも体験したMSIブースレポート


 あ、もちろん「背負えるPC」じゃなくて、秋葉原にあったオキュラスリフト体験コーナーの話。


 確かに臨場感は凄い。特に、普通のFPSやTPSでは視点設定しない、地面すれすれみたいな視界で周りをぐるぐる見回したりすると、ちょっとした感動を味わえた。
 ただ、その時点で感じたのは「これ、自室でやったら絶対歩けない」。実際に歩くモーションと移動が連動してたとしても、多分その移動方法は使わないでコントローラを使って移動するだろう。それができない(つまり移動するには実際に歩くしかない)ゲームがあったとしたら、日本では一般向けには売れないと思う。
 簡単な話で、目隠しして自分の部屋で歩き回れるか? って話。オキュラスリフトを装着してしまうと、半透過とか透過じゃなく完全に視界を塞いでしまうから、怖くて足を動かせない(体験コーナーでは立ってプレイしてたので)。座ってプレイしてたとしたら、立つことができないだろう。視界移動は実際の頭の動きと連動してても問題はないんだけど、移動についてはそうはいかない。つまり、例えば今のプレイステーションのコントローラで言えば、視界移動のアナログスティック1本分の代わりがオキュラスリフトで、その他の行動、コマンド選択や移動等々はこれまで通りコントローラでやらざるを得ないだろう、ということだ。
 手の動きのジェスチャーで行動を選ばせるのとかはどうか、っていうのは、うーん。体験用のソフトがそうなってなかった(移動しかできなかった)ので何とも言えないんだけど、完全に視界を塞がれた状態でモーションして、誤認識されると凄くストレスがたまりそう。むしろそれはXBOXキネクトとかプレイステーションムーブとか、視界が塞がれてない状態でこそ生かせるデバイスな気がする。もちろん、VRギアが透過式で、実際の自分の手の動きや自室の様子も見えた上で仮想空間を視認できるなら別だけども。


 ただ、この記事の中でも言われてるとおり、自由に歩きまわれる広いスペースを確保できる業務用のアミューズメントパークとかなら話は変わってくる。単なる段差を緑生す草原に見せたり、仮設小屋を豪奢な城に見せたり、色々な手法があると思う。そういう意味では、このPCを当面一般売りしないっていうのは妥当な判断じゃないだろうか。