この人はもしかして……

【特集】ゲームブックはオワコンなのか ― 「ドルアーガの塔」を電子書籍化した幻想迷宮書店が語る今と未来

酒井氏:私はかつて創土社に務めておりまして、そこで14年間編集をやってたんです。その時に「ソーサリー」や「ドルアーガの塔」、「グレイルクエスト」などのゲームブックを出しておりまして、その時の経験や縁などのおかげで、ゲームブックのクリエイターの方々とお付き合いがあったんです。

──あの創土社にいらっしゃったんですか。

酒井氏:その後、創土社を辞めまして、出版業界を一度離れたんです。そして、これはたまたまだったんですが、新たな職場で電子書籍を統括する部分を任されました。その統括には、企画編集も含まれていたので、創土社での経験があったからかもしれません。ただこの電子書籍部門は、ある問題点を抱えていたんです。当時、電子書籍の制作は外注に任せる形だったんですが、これだとどうしても時間がかかるんですよね。原稿を用意して提出してから完成するまで3ヶ月かかるとか、そういうことがあったんです。


 この人創土社辞めてたのか、道理でゲームブック関連の動きが鈍くなったと思ってた。
 個人的には、ゲームブック電子書籍の方には行かない方がいいんじゃないかという意見。というのは、そっちに向かってしまうとよりプレイしやすいゲームアプリと比較されることになって、勝負の土俵に立てないから。藤浪さんが出してるシリーズみたいに、サイコロ不要、マッピング不要、鉛筆も不要な形式の方が、まだ戦える気がする。
 ゲームアプリに近づけるなら、何度も紹介してる海外版のソーサリーシリーズくらいゲームの側に寄ればいけそうだ。というか、ぶっちゃけノベルゲームとして移植した方が……。