うげぇー!

ペルソナ5 - PS3

ペルソナ5 - PS3


 この声、どうやって……。

追記

 クリアタイム、76時間33分。感想書きます。

再追記

 まず、何よりも先にアトラススタッフに感謝を。コンシューマに逆風吹き荒れるこの状況で、これだけの名作を、予告どおりPS4とPS3の縦マルチで発売してくれたことにお礼を言いたい。
 振り返ってみれば、発売から10日で80時間弱というのはとんでもないプレイ時間だ。私にとってペルソナとはそれだけ大きな存在であるし、その80時間飽きさせることなく楽しませ続けてくれる名作であったことは間違いない。


(以下、ネタバレつきの感想あり)












(以下、ネタバレを含むためこれからプレイする人は回避推奨)












 感想の本文に入る前に一つ。私には「ペルソナ4」というゲームはある意味至高の存在であり、家庭用ゲームのなかでも別格の評価を下している存在である。それは今も変わっていない。よって、5の感想を書くにあたっては「5単体で面白いかどうか」という視点で見るか「4と比べてどうなのか」という視点で見るかによって評価が異なってくる。


 今回のペルソナ5全体を通して見た時、真っ先に感じたのは「ペルソナ4のセルフオマージュ」という点である。いくつかの点では本当に似通っている。1年間学校生活を送るというプロットからいってある程度似るのは仕方ないかもしれないが、その範囲を超えて類似点がある。まず仲間の人数からして同じだ。マスコット的な存在がいてガイドを務めること、クライマックスに当局からの取り調べシーンがあること、高校生探偵が登場すること、そもそも主人公が1年限りの来訪者であることなど、挙げて行けばきりがない。
 その上で、意図的に対照的なイメージを配置している(言うまでもなくイメージカラーも)。都会と田舎。殺人者を追うものと殺人者として追われるもの。ストーリー上での探偵の扱い。最終的な影響範囲(1都市と全国)などなど。ペルソナ1、2と異なる雰囲気の作品を3で作り出し、ペルソナ4でペルソナとしての形式、方法論が確立し、それを発展させたのが5というのが私の印象だ。

 ところで、本作の感想をどうやって書こうかと考えたのだけど、やっぱりコープごとに書くべきかな、と(別にコープのストーリーを事細かに書くつもりはないが)。当然、上げてないコープについては触れていない。
 まずは、仲間たちから行こう。

<愚者>(ここでは主人公、ジョーカーのことを。本来の<愚者>コープの主については<世界>の項で)

 今回の主人公は声つきと聞いて「ああ、今回の主人公は自己主張しちゃうタイプかー」と思ったら、実は全然喋らないキャラだったという(笑)。でも、主人公はこれくらいでちょうどいい。PVとか割と邪悪っぽい笑みを浮かべてるシーンがあったから、あれはシャドウなのかと思ってた。
 4の時は初期ペルソナであるイザナギを(そのままでは進行が困難になる)中盤まで使い続けていたが、今回は「カッコいいな〜」と思っていたアルセーヌがチュートリアルでいきなり消滅させられ「なんじゃそりゃ!」となった。後で考えれば図鑑に登録されていたわけだからそのまま再召喚すればよかっただけなのだが……。
 で、豪華版DLCについてきた「賊神・イザナギ」を適当につけていたら、物理無効が便利でついついそのままになってしまった。そして前作と同じパターンに(笑)。さすがに最終盤イザナギでは苦しくなったため別のペルソナを探したが、前作のヨシツネやトランペッターのような定番ペルソナがわからないまま進んでしまい、結局やっぱり過去作の思い出のペルソナ「ケルベロス」と、適当に最終ダンジョンで拾った「トール」で何とかしてしまうという情けない事態になった。っていうか4のイメージがあったから、最後のダンジョンとその前のダンジョンであそこまで行動の制限がかかるとは予想してなかったのだ。逆に言えば、それでも難易度セーフティなら何とかなってしまったと言えなくもない。

<魔術師>モルガナ

 前作でいうクマのポジション。ナビ的な役割も果たすけれど、要員としては最初から戦闘メンバー。これこそまさに、4の反省から造形されたキャラクターなのかな、という気がした。どういうことかというと、前作のクマはストーリー全体のキーキャラクターであるにも関わらず、人間関係でいうと陽介との繋がりが強く、ほとんど主人公と関係してこない。これを踏まえたのか、今作のモルガナはほぼ常時主人公と行動を共にし、突っ込み役を担うことでパレスだけでなくストーリー上もガイド役を果たしている。このあたりはさすがという感じがした。
 モルガナについて感じたことは2点。1点は「猫が喋るという事象を誰が認識していて誰が認識していないのか、プレイヤーから見てわかりづらい」ということ。これはストーリー上の超重要ポイントなのでちょっと気になった。もう一つが、真のヨハンナと同様、コープを最大にしない方がペルソナが可愛いってどうなのよ……。

<戦車>坂本竜司

 前作の陽介と完二を足して二で割ったような、というか陽介に完二のガワを被せたようなキャラ。杏もそうだし、他のキャラもそうなんだけど、最初から友達で始まるP4と違って第一印象が良くない状態から始まってだんだん居心地良くなっていくのもまた面白い。ただ、コープはほとんど進めなかった(笑)。だってどう考えたって俺達最高の友達だよなエンドにしかならないんだもん……。
 戦闘メンバーとしてレギュラーだったのは真加入まで。ただし、性能だけで考えれば物理に特化した竜司の方が恐らく数段使いやすいはずだ。

<恋愛>高巻杏

 前作の千枝と雪子とりせちーを足して三で割る……と言いたいとこだけど、あえて言えば千枝とりせちー寄りかな。というか、雪子のエキセントリックな部分はむしろ祐介に受け継がれたんではないかという気もする。
 後半になるといい感じのキャラになるのですっかり忘れるが、前半はかなりドロッドロの展開をギリギリで料理してる気がする。もうちょっと行き過ぎると引いてしまうし、もうちょっと手前だと深刻さが伝わらないという意味では非常に匙加減が難しかったはず。杏と春についてはウス=異本のネタが山ほど浮かぶのは私の脳が腐っているからだろう、たぶん(笑)。
 戦闘メンバーとして見ると前作の雪子ポジ。ただし今回は回復を持ってるキャラが前作より多いので、そういう意味では攻撃に専念できる感じ。ブースタ&ハイブースタをセットしてコンセントレーションからのアギダインとマハラギオンは後半の主戦力だった。

<皇帝>喜多川祐介

 祐介は、前作に該当するポジションがいない気がする。ジョーカー→主人公、竜司→陽介だとすると祐介が完二なんだけど、竜司が二人の属性を併せ持ってるので「芸術家肌の変わり者で貧乏だけどマイペース」っていうのは新鮮だった。ただ、前半の湿っぽい雰囲気がまだ継続してるなかでヌードモデルの話が出てきたあたりではまたウス異本のネタが(以下自粛)。最初は杉田さんの声にしか聞こえなかったけど、最後はちゃんと祐介として違和感がなかったあたり、プロはさすがやなぁ、という印象だった。
 申し訳ないけどレギュラーに入れる予定はなかったので、こちらもコープは全然進めていない。能力的にはこちらも前衛系なんだよな……。

<女教皇>新島真

 ルックス的には一見前作の雪子ポジっぽいんだけど、中身は全然違う。ストーリー上のポジションとしては捜査情報とか掴んでるあたり直斗、なのかなぁ。無理やり関連付けるよりは新しいキャラといった方が無理がないのかも。
 事前人気は高かったらしいけど、実際ストーリーの前半やるとちょっと、うーん。しかも後半砕けてくる杏と違って「将来の夢は警察官僚」とか言ってしまうあたり、徹頭徹尾委員長系キャラってイメージ。
 ペルソナについては、彼女以降加入のキャラは既存属性ではなく追加属性の使い手であるあたり、やっぱり位置づけとしてはレギュラーキャラっていうより追加キャラなのかな。
 彼女で一番ショックだったのは、コープを最後まで進めたところでヨハンナの後継ペルソナが人間型になってしまうこと。せめてペルソナを使う瞬間バイクから人型に変形するならよかったのに、人型のままなのでしょんぼり。仕方なく彼女のコープは9で止めてしまった(10はイベントだけ見てセーブデータを戻った)。そもそも彼女のコープはスタートに知識の条件があるのに途中で魅力最大値を条件にしてきたりしてハードルが高いんだよ!(笑)
 性能的には、物理特化の竜司や祐介、魔法特化の杏と違ってどっちにも振れなくはない性能で、しかしチャージもコンセントレーションもないので中途半端と言えなくもない。結局迷った末にメディアラハンを残してディアラハンを捨てる羽目になってしまった。しかも素早さの関係で必ず最初に順番が来るため、真っ先にガス欠を起こすキャラに。特にオクムラパレスの前半は物理無効ばっかりで涙が止まらなかった。

<隠者>佐倉双葉

 性能的には前作のりせちーなんだけど、ポジションは菜々子。そして性格は誰とも被ってない。
 いやー、実際ストーリーやると、パーティメンバーだと彼女と春で人気は二分する気がする。悠木さんの声がハマってるし、ギークだし、しかも超有能。メンバーだとしきりに真が参謀って言われてるけど、本当の頭脳キャラはこっちだよな。ストーリーが行き詰まると彼女が超・能力を発揮して打開、っていう展開が何度もあった。
 前作のりせちーもそうだが、ナビって位置づけが難しくて、戦闘中ずーっと喋りっぱなしなので気になりだすとウザくて仕方がなくなるはずだけど、双葉もりせちーもギリギリのところでウザさを回避してる。このあたりもすごいと思う。
 意外だったのは、彼女のコープが彼女自身の肉親に関するものでなかったこと。そっちは<法王>だということに、始めるまで気づかず、しかも二人とも開始条件が厳しかったのでギリギリランク9にしかならなかった。今回のプレイの一番の心残りだ。とはいえ、セーブデータを多少前に戻っても魅力を上げる手段はかなり前半に手を尽くしてるので、後は<運命>のコープ上げるくらいしか思いつかないし、素直に二周目をやった方がいいのかもしれない。ネクロノミコンが後継ペルソナで人間型に変化してしまったらまた途中で止めるけど(遠い目)。

<女帝>奥村春

 私の予想が一番外れたキャラ。ごめんなさい。こいつ絶対裏切ると思ってました。
 だってペルソナがミラディだし、ストーリーの展開からいって「怪盗団に騙された! 人殺し!」っていって敵に回ってもおかしくないだろあれ! それを「ごめんね、ちょっとだけ疑っちゃった」だけで済ます春はマジ聖女。てっきり、ボロボロになったモルガナを踏みつけて「ケダモノ風情が、本当に仲間になったとでも思ってたの?」とか言って高笑いするシーンがあると思ってました。
 いやー、ペルソナスタッフがうまいなと思うのはこういうところで、ペルソナって、普通のRPGと違ってコープの存在があるから、途中加入メンバーって思い入れの点ですごい不利なんだよね。春が前半に加入してきたら他のキャラに焦点が当たらなくなるし、逆に春が人気出ない性格だったら多分存在が空気になって終わる。後半になって入ってくるキャラが人気出そうな性格してるのは、その意味ですごい理に適ってる。しかも、彼女の場合コープの開始条件も厳しい。一周目で情報なしで彼女をマックスまで持っていけた人がいたら相当すごいと思う。
 ただ、一点だけ気になってることがある。それは、途中で挿入されるムービーで、彼女の婚約者が映るシーンがあること。それまではてっきり、あの婚約者はコープを上げればメメントスでボコれるとばかり思ってたんだけど、あそこで出てくるということは改心できないということで、つまりメメントスには出てこないんだよね? そういう察しがついてしまうあたり、ムービーはあってもOPとEDくらいで、後は要らなかった気がするんだが(なんか、事前に制作されたムービーに合わせて直後のイベント台詞を差し替えたんじゃないかと思しき箇所もあった)。
 戦闘キャラとしては、モナと入れ替えだったので彼女の状態回復に拠るところは凄く大きい。ただ、リカームを使えるペルソナがいなくなったのはきつかった。あと、彼女も物理にも魔法にも振れるキャラだったのがむしろ辛い。ペルソナの成長の関係上、どっちかは切らざるを得なかったので……。結局、残弾数に縛られる物理を捨てて魔法にしたけど。

<正義>明智吾郎

 春と逆に、こちらは予想が当たったキャラ。裏切るかどうかはともかく、まぁ敵だろうな、と。だって、主人公が「怪盗」なのに名前が「明智」、コープが<正義>ときたら、そりゃ味方とは思えないよね。だからむしろ途中で仲間になったのが予想外で、「あれ? 予想外れた?」と思ったんだけど。ただ、怪盗服のカラーリングがやたら明るくて他のメンバーから浮いてたし、違和感はあった。とはいえ、それをいうと春の服も色調が明るいのでやっぱり裏切るとばかり(ry。そして、明智を勘定から外すとちょうどパーティメンバーの数が男女比を含めてP4と一致する。
 性能についてはコメントなし。最初の戦闘以外は、わざわざパレスのスタート地点まで戻ってレギュラーから外したのでよくわからない(笑)。



 明日は仲間以外のコープ、そしてあの「どんでん返し」について書こうと思う。