あそぶ!ゲーム展-ステージ2〜ゲームセンターVSファミコン〜
秋葉原のどこかで宣伝を見かけ「この間のゲームオンのイベントのようなものだろうか、一度見てみようか」と思っていた。本当は友達と行くつもりだったが予定が折り合わず、一人で出かけた。結果的にはそれで正解だったかもしれない……(笑)。
会場までは何マイル?
まず、こちらをご覧いただきたい。
会場のアクセスマップである。携帯からこのページを見て、私は最寄り駅から会場まで歩くことにしたのだが、これがとんでもない判断ミスだった。もちろん、勘のいい、というか普通の人なら、アクセスのページに徒歩での所要時間が書かれていない時点で会場までの距離を推察するだろう。また、この図だけを見ても鉄道の駅と駅、ICとICの距離から、この地図の縮尺を類推できるかもしれない。が、私はまさかこの図が途中の交差点を丸ごと省略した図だとは思わなかったのだ。実際には「西川口駅入口」から「青木中央」までの間に幾つも交差点があるし、手前の駅から西川口駅入り口までの間にすらいくつもの交差点がある。
まぁ、SH-06GのGISがまともに動作していたらこんなことはしなかったかもしれないが、ゲームオンの時には駅から歩いてすぐだったのでそのイメージがあったのだ。
ゲームオンとの違い
次に、会場に辿りついてからがまた驚きだった。てっきりゲームオンのようにゲーム展の来場者が沢山いるものかと思ったら、そもそも会場の真正面で盆栽の展示をやっている。奥に進むと、地方の特産品展をやっているようだ。
「あれ? 期間間違えたか?」と会場をぐるりと回って気づいた。ゲームオンのそれと違い、このSKIPシティという会場はいろいろなイベントが同時平行で行われる会場で、ゲーム展はそのなかのビジュアルプラザという一部、そのまた特設展示というさらに一部であって、会場全体からすると本当にごく一部で開催されているイベントなのだ。しかもこれ、恐らく特設展示に直接入る方法はなく、常設展示スペースから抜けていくしかない。
で、ゲーム展の会場に入ってまず驚いたことが──人が閑散としていることだった。ゲームオンの時に「ゲームを遊ばせるのが主体だとするなら会場整理や案内図が足りなさすぎる」と指摘したけれども、このゲーム展は明らかに遊ばせるのが主体であり、ほとんどのゲームを座って遊ぶことができるようになっていたのはよかった。会場整理や案内図は……必要なほど来場者がおらず、ゲームの数もそこまで多くない。
なので、遊ぶ環境としては悪くない。家の用事があったせいで到着が閉館1時間前になってしまった私でも、全ての展示を見た上で、3つや4つのゲームは余裕で遊べた。子供たちものんびり遊んでおり、殺伐とした雰囲気は感じない。ただ、来場者はゲームが大好きで遠方からわざわざ来たというよりは……会場近くに住んでいて、たまたまゲームが好きな家族連れが休日を過ごすのに使っているような印象だったが……。
まぁ、個人的にはこういうまったりした雰囲気の方が好きだが(笑)。
ただ、プレイコーナーについて不満を述べるとすれば、ドラゴンクエストのプレイコーナーで、ファミコン本体がケースに入っていてリセットボタンが押せない構造なのはどうかと思った。前にプレイ体験の記事の時にも書いたが、初代ドラクエは一旦復活の呪文入力画面に遷移すると、正しい呪文を入れるかリセットしない限りゲームが始められない。少なくとも私がいた時間は最初から最後まで、入力画面で止まったままだった。
展示全体のボリュームは、50のゲームがあるとHPにはあるが、ゲームオンと比べると3〜4分の1程度だろうか。しかも内容的にはかなり被っているので、展示としてみるなら、ゲームサウンドに関する部分やゼビウスの開発資料、同人誌など限られた資料を除けば、あっちを見ていればこっちを見る必要性は薄いかもしれない。
惜しい、それはゼルダじゃない
むしろ、今回の展示の見所は来場者の子供たちだった。コンピュータが進化したはずの今でもかぶりつきでドルアーガやくにおくん、源平を遊んでいる姿を見て昔の自分を思い出し、解像度だのハードの性能だのFPSだの、ゲームの面白さとは違う部分で騒ぎ立てる大人より、彼らや昔の自分の方が本当にゲームを楽しんでいるんだろうな、といささかの寂寞を感じたり、両親と子供二人でガントレットに興じる姿を微笑ましく眺めたり。
そして、一番面白かったのは、ガントレットを見た少年の「あ、ゼルダあるよゼルダ!」という言葉だった。いや……君2Dゼルダなんて知らないはずだろう……?(笑)
そしていつもの
ゲームオンの時もそうだったが、コンピュータゲームの歴史→RPGについての解説→TRPGの紹介をするのは構わないのだが、今回はこういう展示だった。
詳しい人ならこれだけで気づくかもしれない。ゲームオン会場にあったのは間違いなくTRPGの元祖「クラシックダンジョンズアンドドラゴンズ」だったのだが、ゲーム展の会場に展示されていたのは、赤箱は赤箱でも「ダンジョンズアンドドラゴンズ4thエディション、スターターセット」である。
このアマゾンのデータでも分かるとおり、2010年の作品である。TRPGという意味では間違いではないし、CD&Dのベーシックセットを探したけど見つからなかったのかもしれない。
しかし、このボックスに「TRPGは一回のゲームに数時間かかり、ゲームマスターは準備と進行でかなりの負担がかかる」という解説をくっつけたのはいただけない。たぶん飾った人はマニアックな人ではなかったのだろうが、D&Dのなかでも唯一、4thだけは「一回のセッション1時間以内、ダンジョンマスターの準備はモンスターを選ぶだけ」という「ダンジョンデルヴ」を実装しているタイトルなのだから……。
まぁ、あの会場を訪れた人間でこんなところに突っ込むのは私くらいなものかもしれないが(笑)。