けものフレンズin東武動物公園

 というわけで、このイベントに行ってみました。



 事前には着くまでが遠いと思っていたけれど、実は着いてからの方が大変だったという(笑)。ネットでも言及している人がいるが、なんと「東武動物公園駅」から「東武動物公園」までより、入り口ゲートから動物園エリアまでの方が長いのだ。
 パーク全体が2km(パンフレットより)らしいけど、幾度も幾度も往復してしまい(理由は後述)、結果的に何年かぶりの歩き疲れを体験する羽目になってしまった。



 缶バッジが売り切れていることは知っていたので、目当てはけもフレのパネルだ。前に書いたとおり、大きなお友達が小さなお友達の迷惑になっていないかと危惧していたが、実際には見る限りほぼ杞憂だった。というのも、普通の家族連れの方が多すぎて、けもフレ民と思しき人たちはほぼアウェイだったからである。目立っていたのは飼育員の説明の時くらいだろうか。
 パネルについても、真ん中に配置されているフルルと、小型獣で檻が小さく、相対的にパネルの比重が大きいアライグマ、タヌキ、コツメカワウソ(この3匹はほぼ同じ場所)では存在感があったが、後はほぼ景色に溶け込んでいた。普段から園内にあると言われても違和感を覚えないくらいである。これは配置した人のセンスがよかったのだろう。


 パネルについては事前情報を集めずに現場に向かったので、どの動物がパネルになっているかすらチェックしていなかった。マップを見て作中に登場する動物がどこに配置されているかを大体把握してから動物園を周り始めたのだが──。


(以下、コラボイベントのパネル位置のネタバレあり)



















 とりあえず、マレーバクのパネルもぐもぐが注目された理由は分かった。動物園エリアの入り口に配置されていて、非常に目立つからだ(笑)。前述のとおり、アライグマやコツメカワウソ、タヌキも分かりやすかった。アライグマなどは普段はあまり注目されない動物なのだろう、家族連れが人だかりを不思議そうに見つめていた。
 フルルもすぐ見つかった。なお件のグレープ君は、ちょうど気温の上がった時に行ってしまったせいか日陰に避難しており、近くにはいなかったようだ。手前にいるのは恐らく別のペンギンである(写真だと見えにくいがバンドが紫ではない)。ニコニコ生放送中は近くにいたというから、私が見たのはその後だったらしい。

 カバは隠しキャラみたいな配置だと評している人がいたけれど、探すのはそれほど苦ではなかった。ただ、本当にスペースの一番奥にパネルがあるので、一眼レフでもない限り写真を撮るのは厳しいだろう。
 ショウジョウトキ(それと作中に登場しないがレッサーパンダも)は、位置は分かりやすいが、対象の動物とツーショットにはならない場所にある。ドームそのものの外壁だったり、檻から離れた説明パネルに貼ってあったりするからだ。
 アクシスジカ、クジャク、アルパカ、ゾウ、クマ、ライオン、ラクダ……までは、楽に見つかった。これで残りは4〜5枚くらいかと公式ページを改めて見直したら、なんとパネルの総数はおまけを除いて26枚(おまけを含めると30枚)。まだ半分である。

 慌てて園内を逆走したところ、アライグマ、フェネックのおまけパネル、それとフラミンゴを発見。これらは進行方向に対して逆にパネルが向いているため、見逃してしまったようだ。

 なお、ここで件の園内放送もかかったが、園内の喧騒のせいで、とてもはっきりとは聞き取れない。これを録音した人は凄かったのだと知った。

 パネルというより動物そのものが見つからなかったのがキリン、シロサイ、シマウマの3枚。これは、場内マップを見れば所在は分かるのに、どうしてもそこにたどりつけなかった。「アフリカ・サバンナの動物エリアは、動物園エリアの外側にある」ということに気づくまで、園内をぐるぐる回ってしまった。
 ビーバーはマップに表記がなかったが、探していたら見つかった。また、カピパラはマップをよく読んでいなかったので「リスザル園にいる」ということに気づかず、なかなかたどり着けなかった。
 ヒツジ、カンガルーはこれらとは反対で「普通すぎてまさかパネルになっているとは思わなかった」ためにスルーしてしまっていた。


 この時点でおまけを除いて残り3枚。頭を冷やそうと観覧車に乗ることに。──高所恐怖症のくせにこの選択に全く疑問を持たないくらいには疲労していたようだ(笑)。隠しパネルであるサーバルは、乗った直後に視認できる場所にある。これも、撮影するなら一眼レフは必須だろう。
 ライオンを見つけた近くで、見落としていたチーターを発見したところでギブアップ。ネットで経験者のヒントを探ることにする。悔しいことに、残りの2枚は東武動物公園のマスコットキャラであるホワイトタイガーと、個人的一押しキャラの一人、ワシミミズクである。両方とも、ホワイトタイガーの檻も、猛禽類のエリアも何度も行き来したが、全く発見できなかった。
 ヒントで、ホワイトタイガーが見つからなかった理由が分かった。他のパネルが、全て「檻の中(奥を含む)、もしくは手前」に配置されていたにも関わらず、ホワイトタイガーだけは「檻の屋根の上」に配置されていたため、視線が向かなかったのだ。
 最後の一枚、ワシミミズクは、他の猛禽類のいる場所から離れた、それも建物の中に配置されている。周りに他のパネルがあるのも擬態になっている……が、建物内には本物のミミズクもいるので、中に入ってしまえばすぐ気づくだろう(ただし、マップには一切表記されていない)。

 園内で、一眼レフを構えてシャッターチャンスを狙っている、恐らくけもフレファンを何人か見かけたのだが、自分でパネルを回って理由がよく分かった。一応私もスマホで全部のパネルを撮ったものの、とにかく相手は動物。動物とパネルの両方がファインダーに入るように写真を撮るにはかなりの根気が要る(シロサイなどはパネルから離れた木陰で微動だにしていなかった)。今回上げた写真は、後で「動物とパネルの両方が写っている(ミミズクを除く)」「他人が大きく写り込んでいない」「檻が邪魔になっていない」条件で抜き出したら、これくらいしか残らなかったのだ(後はラクダくらい)。

終わりに

 パネル探しで園内を右往左往した後、けもフレともパネルとも関係ない、とある動物の檻の前に戻った。大型猛禽のオオワシだ。子供の頃に動物園に行った時も、自由時間をずっと猛禽類の檻の前で過ごしていたことを思い出す。基本的に枝に止まったまま身動きしないオオワシだが、一度だけ大きく羽ばたき、檻の中を行き来した。それを眺めて「ああ、彼らにはこの檻でも狭すぎるんだろうな」と、いささか寂しい気持ちになった。
 けものフレンズがなければ、動物園に再来することも多分なかっただろう。機会を与えてくれたことに感謝しつつ、数十年ぶりの動物園を後にした次第である。