この本末転倒さがいかにも日本製

キャリングハンドル付きで、どこへでも持ち運びOKな「日立 H1」

その特徴は、なんと言ってもキャリングハンドルではないでしょうか。本体部分だけであればそれほど重くないので、当時の広告ではイメージガールの工藤夕貴さんが両手で持っていました。ただし、実際に稼働させるためには電源ユニットも接続する必要があり、そうすると重量の面からは持ち歩くのは現実的ではありませんでした。


 この「持ち歩けるのが売りのはずなのに微妙に持ち歩けない」とかその辺りが「新技術を搭載したモバイルマシンだけど、バッテリ駆動時間は新品でも公称で2時間しかなくて使い道が見つからない」とか、手段が目的化してしまう日本メーカーの製品っぽい。私はそういうところも含めて好きだけどね……。
 ちなみに、かつてのワープロではキャリングハンドルがついていた機種があったものの(カシオのクレモナとか)、ノートPCではあまり見かけなかった。昔ラップトップPCと呼ばれていたようなタイプはともかく、通常のノートPCはすぐに「直接持ち歩く」より「かばんに入れて持ち歩く」サイズへと小型化していったからだろうか。中にはこんな変わり種も存在したが……。


PCG-QR1/BP