DQX、3.0終了



 DQX、3.0のストーリーを終え、エンディングを見た。
 何というか──前にも書いたが、ゲームとしてはつまらなくなったとは思わないし、グラフィック班が凄く頑張っているのも分かる。嵐の塔とか、今回の新エリアとか、歩いているだけでも心踊る、美しい風景だった。
 それだけに、何より欲しかったのはシナリオスキップ機能だった。ぶっちゃけ、もうシナリオを読むのが苦痛だったので。
 3.0を最後までプレイして一番驚いたのは、スタッフロールのシナリオスタッフに10人以上が名を連ねていたこと。いや、皆さん全員このシナリオにゴーサイン出したんですか?!
 3.0のストーリーのどこがダメかというと「徹頭徹尾全部ダメ」という話になってしまって、そこで話が終わってしまうので、私が「ここは特に問題外」だと思うところを3点挙げる。
 以下は、DQX3.0のストーリーをクリア済みであるか、今後クリアする予定のない方のみお読みください。




(DQX3.0のストーリーに関する重大なネタバレがあります)










 まず、どこがダメかというと「冒頭」である。この時点でかなり絶望的な気分になる。
 前提条件を説明しておこう。前に3.0の冒頭で、主人公の知己が次々誘拐される、と書いた。その時「犯人は二人いる」といったが、実はそのうちの一人は主人公の兄弟姉妹(キャラクター作成時に決定する)である。味方のはずの彼・彼女が何故そんなことを……? というのが3.0の物語のハイライトだったわけだが。


・主人公が死ぬ予知夢を見た。主人公には事件に関わってほしくなかったので、身近な人間を誘拐した。


 思わずコントローラを投げつけた。何も知らない人がこの文章を読んだら「ハァ?」と思うだろうけど、信じがたいことに本当にこんなストーリーなんだよ! このプロットにスタッフの誰も疑問を持たなかったのか!? 主人公が、身近な人間を誘拐されて放置するような人間だったら、物語が成り立たないだろ! この時点で兄弟キャラとは縁を切りたかったが、直後に主人公自身も輪を掛けたアホだと判明する。


・「邪神を封じる最後の封印を、敵が解こうとしているかもしれない。様子を見てきてくれ」と言われ、まさに封印の目の前で敵に遭遇。「お前のことは心底ムカつくし、これっぽっちも認めてないけど、邪神の封印を解けるのはお前しかいないから封印を解いてくれ!」と敵に言われて本当に封印を解いちゃう主人公


 ディスプレイの前で頭を抱えた。何も知らない人が(以下略)。脚色じゃなく敵の台詞もほぼそのまま。
 これはあれですか? 主人公たちと敵方は裏で繋がっていて、実は邪神を復活させるために手を組んで茶番を演じていたとか、そういうストーリーですか? いやホント、そうとでも解釈しないと辻褄が合わなさすぎるんだよ!
 

・敵地である邪神教団の本拠地のど真ん中で、教団の大幹部が倒れているからといって不用意に近付いて後ろから刺されて何の脈絡もなく死ぬ主人公。


 その場面で油断するような奴は、そのまま死なせといてよかったんじゃないかな……自分自身だけど。ここからのシーンがめっちゃ寒すぎて、DQX2.0のストーリーやFF11アトルガンミッションが神に思えた。
 これだけじゃなくて、ヒロインの行動原理とか、生贄候補を保護すると言いながら一箇所に集めるとか、パッと思いつくだけでも20箇所以上ツッコミどころがあるんだけど、キリがないのでこれでやめる。


 どうしてこんなことになったのか、薄々見当はついている。実はこれ、アップデート間隔が長くなったせいではないかと思っている。あとはシナリオの傾向。
 DQXはアップデートごとのストーリーをクリアするたびに、予告編が入る。3.0のシナリオはミステリー的なものを目指していたために、予告編にキャッチーなシーンを集めている。普通はその伏線を、実際のストーリーでどう消化するか考えてから用意するものだと思うが、それをしないで先に予告編を作っているんじゃないかと思うのだ。
 つまり、主人公が倒れるシーンだけ考えて、オチを考えていない。主人公の兄弟キャラが主人公の近親者を誘拐するというショッキングなシーンだけを考えて、動機を考えていない。後で無理矢理理屈をつけようとするから、こんなメチャクチャなことになるんじゃないだろうか。
 仮にそうでなかったとしても、展開は上に書いたとおりなので、邪推されても仕方ないレベルだと思う。


 とりあえず、次の4.0がこんな惨憺たる出来でないことを祈っているが、五種族やめて人間だけの物語にしますっていう時点で望み薄というか……もうそれ2.0でやったじゃん……。