実は存在しない


 DQXコラボシナリオの新ガチャで実装された新装備「グランゼドーラの剣」。しかし、DQXとDQWを両方遊んでいる方ならご存じのとおり、元ネタであるDQXに「グランゼドーラの剣」という装備は存在しない。とはいえ、今回のエントリは「コラボ元とこんなに違ってる!」と指摘するのではなく、アンルシアを軽く紹介するのが目的だ。

 コラボシナリオのメインNPCである「アンルシア」は、DQXに登場する「勇者」。主人公はその盟友という立場である。ゲーム内のイベントやコンテンツ(王家の迷宮など)でしばしば共闘してくれるNPCであるアンルシアの「武器」は、実はプレイヤーによって異なる。彼女は「主人公が渡した武器(片手剣のみ)を使ってくれる」という設定があるからだ。なので、DQXプレイヤーに共通した彼女の愛剣のような装備は存在しないのである。何の武器も渡していないプレイヤーなら初期装備のままだが、この初期装備の剣の名称は不明だ。試しに「グランゼドーラの剣」でググると、DQXの情報は全くヒットせず、DQWの情報ばかりが当たるのはそういう訳である。
 ちなみに、多くのプレイヤーが彼女に渡していると思われる装備は「はやぶさの剣・改」だ。

ゴリルシア……?

 DQXのアンルシアは、はやぶさの剣(もしくははやぶさの剣・改)との相性が非常に良い。これは彼女のステータスに理由がある。アンルシアはちから(=攻撃力)が非常に高く、実装当初は主人公が到底追いつけないステータスを有していた。そのため、プレイヤーからは恐らくやっかみも込めて「ゴリラ姫」だの「ゴリルシア」だのと呼ばれることさえあった。


wikiwiki.jp


 アンルシアは素のステータスが高いため、主人公と違って装備の攻撃力に左右される部分が少ない。加えて彼女は「攻撃ヒット時敵属性ダウン」という、これまた主人公にはない特性を習得できる。つまり通常攻撃を当てれば当てるほど優位に立てる。さらに彼女にはかつて「時々2回攻撃」もあったため、攻撃力が多少低くても攻撃回数が多くなる武器、はやぶさの剣(そしてその上位版であるはやぶさの剣・改)が定番だったのだ。
 主人公がアンルシアに渡せる武器は剣と盾のみだ。というと「あれ? アンルシアが水着着てる動画を見たことがあるぞ」という人もいるかもしれない。実はそれは課金装備である。



 しかも剣とは異なりこちらは見た目の変更のみで、性能には影響がない。ちなみに私自身、アンルシアにはブレイブ装備という課金装備の鎧を渡していたので、今回DQWでグランゼドーラ防具シリーズを見た時、最初ピンとこなかった。



戦士にして魔法使いにして僧侶にして武道家


 なお、今回実装されたアンルシアの「モンスターの心」が、DQW初の全色(≒職)属性の心であることも、ちょっと話題になっていた。
 実際、DQXのアンルシアはどうかというと、上で書いたとおり攻撃力の高い戦士のイメージはあるし、また仲間が倒れたりHPが減ったりすると回復や蘇生を使ってくれるので、僧侶のイメージもある。しかし、魔法使いのイメージがあるかというとちょっと疑問だ。
 デイン系の呪文を習得していて攻撃魔力も低くはないが、AIの挙動としてあまり攻撃呪文を使ってくれない。これは、DQXの作戦設定に魔法攻撃を主体とするものがなく、あくまでも職業によってAIの挙動が変わるからだろう。アンルシアは魔法使いや賢者ではないので、距離を取って呪文を使うというパターンが少ない。
 そしてよく考えてみると、生粋の戦士かというとそれもちょっと違う。通常、戦士を含むサポート仲間の前衛系職業は、相手が範囲攻撃をして来ない限り敵に張り付き、ひたすら攻撃を当てるパターンになっている。しかしアンルシアは何故か、敵を攻撃しに行った後、一々後ろに下がる。敵が範囲攻撃を使ってこなくてもだ(上の水着動画の彼女の戦闘シーンをよく見ると、攻撃するたびに下がっているのが分かる)。これはもしかしたら、アンルシアが前衛でも後衛でもない──あるいは前衛でも後衛でもある、という設定だからなのかもしれない。