届いた


 予約してから随分間が開いたからすっかり忘れてた……。

 ええっと、個人的な費用対効果は前と同じ。というのも、今回も「死のワナの地下迷宮」と「地獄の館」については、HJ版の邦訳がまだ手元にあるので、未読と言えるのは残りの3冊。ちなみに残りの3冊のうち、日本語版で完全に未訳だったのは「危難の港」一冊だけというのも、前のシリーズと同じ構成である。
 余談になるが、HJ版の「死のワナの地下迷宮(デストラップ・ダンジョン)」は、あの「のんのんびより」のあっと氏がモンスターやグロ場面(左手を切り落とされ、右腕を鎖で繋がれた捕虜の女性の絵とか)の挿絵を描いているという、今から考えるとなかなかにレアな一冊である。


 前に今回のシリーズについて触れた時「死のワナの地下迷宮」を入れるなら「迷宮探検競技」を入れてほしかった、と書いたが、付属の解説本を読んだところ、今回収録された「危難の港」も続きものであるらしい(未訳の「アランシアの暗殺者」に続く)。その続編もまた「死のワナの地下迷宮」に関連ある物語であるらしく、その観点で作品を選んでいくと、収録予定の5冊のうち、4冊が続きものという構成になってしまう。だから避けた……のかもしれない。
 とはいえ、このシリーズはセット販売以外販売形態が存在しない。例えば将来、迷宮探検競技が翻訳される日が来たとして、それが続編物であることを知って、前作を買いたいと思っても、興味のない4冊を一緒に買うしかないわけだ。それを考えると、セット販売という形態をとるのであれば、続編物は同じセットに収録して欲しいというのが正直なところだ。

魂を盗むもの

 ところで、今回ほとんどチェックしていなかった「魂を盗むもの」だが、解説を読んで驚いた。ペンネームが異なるので気づいていなかったが、D&Dのシナリオ「キングズ・フェスティバル」やウォーハンマーの「内なる敵」と作者が同じらしい。かつて分厚い文庫本邦訳シリーズを集めていた身としてはちょっと驚きである。

危難の港

 そして、今回唯一の完全新規翻訳にあたる「危難の港」。こちらも解説によれば、元のレーベルがこれまでとは異なるらしい。そのせいか、挿絵がこれまでとは全く異なる印象だ。今回収録の「サイボーグを倒せ」も、これは旧翻訳の頃からアメコミを意識した独特なタッチの挿絵だったので、今回5冊中2冊で挿絵のトーンが違う、ちょっと変わったシリーズになっている。

基本無料でアプリ内課金!?

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 TRPGのルールブックが「基本無料、アプリ内課金あり」でマネタイズできるというのであれば凄い。どんな仕組みなんだろう。D&Dでいうところの無料公開だった部分が基本で、サプリメントとかの部分が追加課金になるイメージだろうか。

 ちなみに、キャラガチャという意味では、昔「エルジェネシス」というTRPGが、ボックス内にランダムテンプレート(サンプルキャラクター)を封入するという方法で、今でいうガチャのようなシステムを再現していた。もっとも、こちらのモデルになったのは当時流行だったトレーディングカードゲームだったらしい。このランダムテンプレートは、普通のキャラ作成ルールでは入手できない能力を持っていたりとなかなか斬新なシステムだったが、プレイヤー間でバランスを取るためには全員がランダムテンプレートを使う必要があったり、正誤表が出しにくいなどの課題があったようで、その後他のゲームでは採用されなかった。